『徳の国富論 資源小国 日本の力』
加瀬英明 [著]

株式会社 自由社
平成21年11月20日 初版第一刷発行
ISBN978-4-915237-53-9
1500円(税別)


長嶋茂雄氏(読売巨人軍終身名誉監督)が賞賛


江戸時代に養った徳の精神こそ、まさに日本を発展させた原動力で
ある。

著者の主張に同感、感銘。

徳という日本唯一の資源を、枯渇させてはならない。

徳は日本の誇り、大いに磨くべきである。

はじめに 三度目の日本の発展を目指して

 驚異的な発展によって、日本は近代に入ってから二度も、世界に衝撃をあたえた。

 最初は長い鎖国を解き、アジアの独立国として初めて世界に打ってでることを強いられた、明治維新後の発展である。

 二度目は、第二次世界大戦後わずか三十年で、アメリカに次ぐ世界第二位の経済大国の地位を獲得したときである。

 また、文化的にも、ジャポニスムの波は絵画や、工芸、建築をはじめとする広い分野にわたって、世界の美意識に大きな影響をあたえ、いままた日本食ブームから、海外で日本語のまま「マンガ」として知られるコミツクまで、人類の日常生活のありかたすら変化させつつある。

 では、こうした発展の源となったエネルギーは、どこから来たのだろうか。

 日本はアジアの端に浮かぶ島国であり、耕地面積が狭く、石油をはじめとする天然資源に恵まれない、資源小国である。

 繁栄を謳歌している現在ですら、石油、ウラン、鉄鉱石、レアメタルなど、近代エ業に欠かせない資源のほとんどすべてを、輸入に依存している。食料自給率も他の先進国にくらべて極端に低く、六十パーセント以上が輸入食品である。

 そのような資源小国であるのに、どうしてこのような経済地位を獲得し、繁栄を継続することができるのだろうか。

 その奇跡の謎を解こうと、さまざまな分析の書が欧米で発行されたが、どれも正鵠を射ていない。経済大国の源が江戸時代にあることを、見落としているせいである。では、江戸時代には何があったのか。

 幕末に日本を訪れた欧米人は、いちように江戸の治安のよさや清潔な暮らしぷり、貧しい庶民にいたるまでの日本人の礼儀正しさや、美意識の高さに驚嘆している。

 このようこのような秀れた文化の根底には、成熟した、互譲の精神がある。それは高い道徳心から生まれたものだ。縄文時代から一万年余、外敵の侵略がすくなかった日本列島では、人と戦い、奪い取って豊かさを手にする必要がなかった。仲間として助け合って実りを手にするという、高い徳の社会を育むことができた。徳が日本の安寧の基礎を成していたのである。ところが、現在、物質的な豊かさを享受しながら、教育の荒廃、家族の崩壊、日本の家族型経済の破綻など、国の根幹を揺るがす負の連鎖が拡大している。人権や個人尊重の美名のもとに、エゴイズムと無関心が、国のなかから日本を解体させようとしている。

 どうすれば日本の崩壊を食い止めて、日本に三度目の大発展をもたらすことができるのだろうか。

 人は精神のありようで、鬼にも、仏にも変わりうる生き物である。どう論じようと、日本人を傑出した国民としてきた徳の再生に目を向け、徳が日本の再興のカギだということを再確認しないと、すべての試みが空転してしまおう。

 発想を転じて、徳によって支えられた江戸時代を振り返ることのなかに、日本の再生の手懸かりがあると、私は信じる。

<目次>

はじめに 〜 三度目の日本の発展を目指すために

一章  徳こそ日本の力

二章  日本民族は「こころ」の民

三章  寺子屋と七千種の教科書

四章  売り手よし買い手よし社会よし

五章  美意識が生き方の規範をつくった

六章  「指導者」や「独裁者」がなかった日本語

七章  神事と歌を継ぐ天皇

八章  神道は新しい世界宗教であるエコロジー教だ

九章  大切なものは目に見えない

十章  親を粗末にする者は国や人を愛せない

十一章 農業を再興し、食料自給率を高めよう

あとがき


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