加瀬英明のコラム
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  米朝の間に入ることを強いられた中国 それでも核開発を続ける北朝鮮
    Date : 2017/05/22 (Mon)
 私は北朝鮮が、向う6ヶ月は核実験を行うことはないと、予想している。

 トランプ大統領は4月に習近平主席とフロリダで会談して、中国に朝鮮半島危機について下駄を預けた。中国という龍を北朝鮮に、けしかけたのだ。

 習首席は9月に開かれる19回共産党大会で、もう1期5年再選されることを最優先しており、それまでアメリカとの間に波風をたてたくないから、トランプ大統領に不本意であるが、従わなければならない。  

 習氏はアメリカに位負けして、帰国した。トランプ大統領はその時、習氏と3回4時間会談したが「きわめて良好な信頼関係を築いて、満足している」と、語っている。

 習首席は9月までは、朝鮮半島がアメリカの軍事攻撃を蒙って爆発することがあってはならないから、北朝鮮に自制するように強く求めることとなろう。

 といって、アメリカの言うままになって、ホワイトハウスの庭に飼われている。ポチ籠にはなりたくない。アメリカと北朝鮮との板挟みになって、苦慮している。

 アメリカは、中国に圧力をかけることも忘れていない。ティラーソン国務長官が韓国、日本を訪問した足で、インドネシアをまわって、南シナ海問題について協議した。原子力空母『カール・ビンソン』を中核とする機動部隊は、オーストラリア、インドネシアを経て、4月末に長崎県沖合に現れた。

 トランプ大統領はオバマ政権が8年にわたって、北朝鮮の核・ミサイル開発を放置して、中国が南シナ海に次々と人工島をつくって軍事化するのに、よそ見をしてきたツケを、支払うことを強いられている。

 北朝鮮は11年前に核実験をはじめて行ってから、これまで5回実施してきた。

 現在、核弾頭を20発あまりもっており、6、7週間ごとに1発生産する能力があり、2025年までに100発を保有することになろうと推定されている。アメリカ西海岸まで射程に収めるICBM(大陸間弾道弾)を完成するのも、時間の問題とみている。

 トランプ政権は時間との競争だと見て、何としてでも北朝鮮に核開発を放棄させようとしている。北朝鮮が大量の核弾頭を持ったら、外貨稼ぎのために、中東や、南米の不法な諸国に輸出することになると、恐れている。

 トランプ大統領は習首席がフロリダを訪れた時に、北朝鮮と中国に対してアメリカの決意を示すために、シリアへミサイルを撃ち込んだ。

 だが、北朝鮮の金正恩委員長は、核開発を行ってきたのが正しいという、確信を強めたにちがいない。北朝鮮が核兵器開発に着手したのは、核兵器なしに体制を守ることができないと、決めているからだ。リビアのカダフィ政権がオバマ政権の軍事攻撃を蒙って倒されたのは、クリントン政権時代にアメリカの甘言によって騙されて、核開発を放棄したためだった。 

 シリアのアサド政権も、オバマ政権が反体制派に武器と資金を供給することによって、内戦を招いたが、もし核兵器を持っていたとしたら、アサド政権にも、イラクのフセイン政権にも、手出しできなかったはずだ。

 今後、北朝鮮が核実験を行うことを控えれば、核開発の速度を遅らせることができよう。だが、実験しなくても、核弾頭の小型化や、性能を向上することができる。


  「平和憲法」では守れない 北朝鮮のミサイル攻撃
    Date : 2017/05/09 (Tue)
 今年は、明治元年から数えて150年、日清、日露戦争の開戦から、それぞれ123年と113年になる。

 明治維新はアジアを侵略していた西洋の脅威に対して、日本が結束して立ち上った偉業だった。また、日清、日露戦争の前夜には、全国民の眼が、朝鮮半島において刻々と募る危機に集まった。

 3月6日に、北朝鮮が4発のミサイルを同時に発射した。その直後に北朝鮮当局が、「在日米軍基地を標的とした演習だった」と、声明した。そのうち3発が、秋田県の沖合に落下した。

 おそらく4発とも、日本のすぐわきに撃ち込むことを、狙ったと思われる。

 トランプ政権は「北朝鮮に限定的な軍事攻撃を加えることも、検討している」と、言明している。いま、日本は戦後かつて体験したことがない重大な危機に、直面している。

 朝鮮半島において、軍事衝突が起る可能性がたかまっていると、考えねばならない。

 それにもかかわらず、国会は与野党がもう50日以上も、連日、森友学園問題に没頭している。どのようにして北朝鮮の脅威に備えるべきなのか、まったく論じられない。

 民進党も、共産党も、社民党も、マスコミも、日本国民の生命と安全は、すべてアメリカに任せておけばよいという、属国根性丸出しだ。

 いつ、日本国民は独立国としての気概を失ってしまったのだろうか。

 アメリカが痺(しび)れを切らして、北朝鮮に対して軍事力を用いることになれば、北朝鮮の核施設とミサイルを摘出する、限定的な攻撃を加えよう。

 金正恩政権はアメリカから攻撃を蒙った場合に、全面戦争に発展することは望まないが、中国や、国連が介入して停戦が成立する前に、体制の威信を賭けてソウルを砲撃し、韓国にミサイルを撃ち込むかたわら、日本へ向けてもミサイルを発射しよう。

 その場合に、韓国の原子力発電所が破壊されれば、放射能が偏西風に乗って、日本全国を覆うこととなろう。

 日本は北朝鮮から同時に多数のミサイルが飛来する時には、迎撃して破壊する能力を持っていない。

 1991年の湾岸戦争の時に、イラクのサダム・フセイン政権がイスラエルへ向けて、38発のミサイルを発射した。イスラエルは最先端のミサイル迎撃システムによって迎撃したが、撃ち洩らしたミサイルによって、多くの死傷者がでた。

 この5月に、私たちは憲法記念日の70周年を迎える。
護憲派が全国にわたって、憲法記念日を祝う集会を開くことになるだろう。だが、私たちはこの「平和無抵抗憲法」によって、アメリカに国防を丸投げして、自ら両腕を固く縛ってきたために、北朝鮮のミサイル基地を攻撃する手段を、何一つ持っていない。

 迎撃するだけではなく、敵基地を攻撃する能力を合わせて保有することが、どうしても必要だ。それでも万全だといえないが、被害を少なくすることができる。

 マスコミも、国民も、毎日のように“森友劇場”と、東京の豊洲市場移転をめぐる“小池劇場”に、熱中している。そのわきで“金正恩劇場”――クアラルンプール空港における異母兄暗殺事件が、テレビを賑わしている。ところが、国民は北朝鮮の核やミサイルになると、関心がない。

 「“平和”憲法」というのは、前後2つの言葉が一致しない、矛盾した撞着(どうちゃく)語だ。

 どの国の憲法も国民の安全と生命を守るために、戦うことを規定している。

 それとも、「平和無抵抗憲法」の妖夢をみつづけるのだろうか。国民の安全と生命を守るために、1日も早く属国幻想を捨てなければならない。


  ロシア2月革命100周年 なぜ日本に左翼理論が根付かないのか
    Date : 2017/05/08 (Mon)
 今年は、ロシア革命をもたらした2月革命の百周年に当たる。

 先週、出版社の編集者がわが家をたずねてくれて、ロシア革命が話題になったところ、「青年時代に左翼に気触れることがなかったのは、渡部昇一先生、小室直樹先生、宮崎正弘さんと」私の4人だといわれた。

 私は高校時代に、アンドレ・ジッドの『ソ連紀行』、アーサー・ケストラーの『真昼の暗黒』や、ジョージ・オーウェルの『1984年』とか、『動物農園』を読んでいたから、共産主義がおぞましいものだと知っていた。左翼の人々は知的に怠慢で、無知だと思って、軽蔑した。

 60年安保騒動とハロウィン

 私は60年安保騒動のあいだ取材のために、毎日、国会周辺に通った。そのために、いまでも『全学連の歌』『インターナショナル』から、『ワルシャワ労働歌』『決起せよ、祖国の労働者』まで、国会議事堂を囲んで渦巻いていたデモ隊がうたっていた歌を、うたうことができる。そのかたわら、女友達にグループをつくってもらって、機動隊員を激励するために、駄菓子や飴を差し入れた。

 国会を取り巻いていた、時には10万人を超えたデモ隊は、改定された日米安保新条約が発効すると、潮が引いたように姿を消した。

 まるで嘘のようだった。もし新条約に真剣に反対していたのであれば、その後も目的を達するまで国会を包囲して、デモを続けているべきだった。

 湖に入り溺れ死んだ

 1970年に安保条約を改定することができる、10年目が巡ってきたために、「70年危機」が取沙汰されたが、学生たちが新宿駅を占拠して騒いだほかに、不発に終わった。

 私はこの年に「60年安保騒動」を回想して、月刊『文芸春秋』に寄稿したが、「悪霊どもはその人から出て、豚に入った。豚の群れはいきなり崖を駆け下って、湖に入り溺れ死んだ」という、『新約聖書』の一節を引用した。

 私は60年安保の体験から、日本における左翼運動は風俗にしかすぎないと、確信するようになった。お祭のような一過性のデモは、日本の国民性に適っているが、思想がイデオロギーとして根付くことがない。

 昨年、安保法案が国会で審議されていたあいだも、同じことだった。法案が通過してしまうと、国会のまわりはハロウィンのたびに、渋谷や六本木で狂態を演じる群衆が一夜明けると、誰もいなくなってしまうように、閑散とするようになった。

 国会は国の命運を握っていることを忘れてはならない

 今日で国会において森友学園問題が始まってから47日目になるが、連日、国会がこの問題にかかりきっている。

 3月に北朝鮮が4発のミサイルを発射して、3発が秋田県の沖合に落ちた。北朝鮮は「在日米軍基地を攻撃することを想定した演習だった」と、声明した。

 そのかたわら、トランプ政権が北朝鮮に軍事攻撃を加えることも、選択肢として検討していると、言明している。もし朝鮮半島で戦争が始まったら、日本が北のミサイル攻撃を蒙る可能性が高い。韓国の原子力発電所が破壊されれば、放射能が偏西風に乗って日本列島を覆うことになる。

 国会は日本が大きな危機に曝されているというのに、森友学園に没頭している。朝鮮半島の切迫した脅威が論じられない。

 日本では政治とマスコミが、全国民が一時的に熱中する興奮の堝(るつぼ)を、つくりだす。

 昭和、平成の『ぬけまいり』

これは、江戸時代のお蔭参りや流行神(はやりがみ)現象と、よく似ている。辞書でお蔭参りをひくと、こう説明されている。

「『ぬけまいり』ともいう。江戸時代特定の年に起こった爆発的な庶民の伊勢神宮参詣現象。子は親に、妻は夫に、奉公人は主人に断りなく飛び出し、道中歌い踊り歩き、衣装に趣向を凝らすなど日常の規範を越えて自由に参詣した。大規模なものは1650年(慶安3)、1705年(宝永2)、1771年(明和8)、1830年(天保1)の4度で、毎回2、300万人にのぼったが、なぜそれらの年に起こったかは明らかでない。宗教的熱狂の中に民衆の封建的支配に対する不満を発散させるという役割を果たした」(『角川日本史辞典』)

 群衆が奔流のようになって伊勢へ向かったが、道中、道筋の家々に歌い踊りながら土足であがり込んで、酒食を強要するなど狼藉を働いた。お蔭参りには、庶民だけが参加した。
2、300万人といえば、明治5年(1972)にはじめて国勢調査が行われた時に、日本の人口は3400万人だったから、たいへんな数だ。封建支配に対する不満が爆発したと説明されているが、それよりも日本人は今日でも、どのような仕事場にいても、周囲を窺いながら自己を抑えて生きているから、安保騒動や森友学園騒動のようなイベントは、憂さを晴らす格好な場となる。

 江戸時代には流行神といったが、ある時、ある神社、仏寺、祠に詣でると、御利益がえられるという噂がひろまると、2、3ヶ月、そこに参詣客が殺到する。ところが、ある時、ひと足がぱったりと絶えてしまう。

 日本人は古代から「言上げしない」といって、言葉に対して深い不信感をいだいてきた。六世紀に、仏教と儒教が日本に入ってきた。仏教も儒教も言葉と論理によって、構成されている。ところが、論理はいまだに私たちの心から、遠いところにある。

 言葉は自己主張と弁解に用いられる

 言葉は主として、自己主張と弁解に用いられる。だから、私たちは冗舌を嫌う。論理は詐術のように、自分の利益のために都合のよい正義をつくりだす。

 言葉によって組み立てられた論理は、正しいか、誤まっているかという二元論のうえに成り立っている。キリスト教や、イスラム教は他宗派を認めず、覇権を求めて、血を血で洗う宗教戦争を繰り返してきた。

 キリスト教の『新約聖書』が、「はじめに言葉があった。言葉は神とともにあった。言葉は神だった」(ヨハネの福音書)と述べているが、幸をもたらす言葉だけを重んじる言(こと)霊(だま)と、まったく違うものだ。

 雪隠詰めの理屈

 そういえば、夏目漱石が親友の正岡子規と口論した後に手紙を送って、「理屈詰め雪隠(せっちん)詰めの悟り論だ」と、認めている。私たちは「それは理屈だよ」といって斥けるが、英語や、ヨーロッパ諸語ではいえない。「理屈」を和英辞書でひくと、「リーゾン」「ロジック」とでてくる。

 私たちは先天的に長口舌や、理論に警戒心を向けてきた。だから、イデオロギーが日本に根づくことがない。

 私たちは正義か、正義に背くかによって分けることをせずに、何が美しいか、美しくないかということを、尺度としてきた。そして言葉によらず、心を用いて良いとこ取りをして、生きてきた。

 私たちの精神の源流は大陸ではなく、太平洋に散らばる島々にある。不毛な論理を戦わせる大陸とは、異質な文化を培ってきた。

 八百万の精霊信仰

 潮風が吹く島々では、キリスト教や、イスラム教が伝来する以前の精霊信仰が、いまだに力を持っており、人々が何が正しいかということによらず、美しい美しくないという感性によって、善し悪しをはかる。私はフィリピン、インドネシアや、南太平洋の島々を訪れるたびに、故郷に帰ってきたような懐かしさを覚える。

 大陸や、朝鮮語にはない、「スンディリスンディリ」(「各々」、タガログ語)「キラキラ」(「だいたい」、同)とか、「バハイバハイ」(「家々」、インドネシア語)、「アラウアラウ」(「日々」、同)といった、日本語と同じ畳語が多い。

 論理は、至上主義を生む。いまだにキリスト教至上主義、イスラム教至上主義や、共産主義が至上であるとか、習近平主席が至上で「核心」だとする、排他的な至上主義が罷り通っているのは、情けない。


  「平和無抵抗憲法」では国民の安全は守れない
    Date : 2017/05/08 (Mon)
 今年の5月3日に、現行憲法が「憲法記念日」70周年を迎える。

 70年前といえば、日本はアメリカ軍の占領下にあって、国旗の掲げることも、国歌「君が代」を歌うことも、禁じられていた。日本国民は自由意思を、奪われていた。

 現憲法には、日本がどの国も当然のこととして持っている、自国を守る権利を否定した前文と、第九条が盛り込まれている。アメリカが日本を永久に属国とすることをはかって、毒を盛ったものだ。

 3月に、北朝鮮が4発のミサイルを発射した。そのうち3発が秋田県の沖合に落ちた。もともと、日本の沖合に落すことを狙ったのだろう。北朝鮮は「在日米軍基地を攻撃することを狙った演習だった」と、声明した。

 それなのに、国会が連日、森友学園問題にかかりきっている。国会において森友学園問題が始まってから、今日で50日をこす。

 トランプ政権が北朝鮮に軍事攻撃を加えることも検討していると、言明している。もし戦争が始まったら、日本が北からミサイル攻撃を蒙ろう。韓国の原子力発電所が破壊されれば、放射能が偏西風に乗って日本列島を覆うことになる。

 国会は日本が大きな危機に曝されているというのに、森友学園だけに没頭して、切迫した北朝鮮の脅威にどう備えるべきか、まったく論じられない。

 民進党も、共産党も、社民党も、テレビ、新聞も、アメリカに日本国民の安全をまかせておけばよいと思って、属国根性丸出しだ。

 北朝鮮が多数のミサイルを、日本へ向けて同時に発射した場合、日本には迎撃する能力がない。東京から北朝鮮まで距離が、鹿児島県までと同じ1000キロメートル、九州から北朝鮮までになるとその半分の500キロだが、日本は北朝鮮のミサイル基地を攻撃する手段を持っていない。

 中国の脅威も増しつつある。アメリカは“アメリカ・ファースト”を唱え、どこまで日本を守ってくれるものか、分からない。

 アジアは風雲急を告げている。アメリカが超大国であることに疲れ果てて、内へ籠りつつあり、世界秩序が腐蝕している。このようななかで、現行の「平和無抵抗憲法」では、国民の安全を守ることはできない。

 万一、日本が危機に陥った場合には、自衛隊員は国民を守るために、生命を賭けて戦わなければならない。ところが、そのような大切な役割を果たさなければならないのに、現行憲法には自衛隊が存在することが、ひと言も書かれていない。

 現行憲法は前文で、「平和を愛する諸国民の公正と信義に信頼して、われらの安全と生存を保持しようと決意した」と、うたっている。北朝鮮や、中国は、平和を愛していない。前文は恥しい妄語(たわごと)でしかないが、前文には法的な拘束力がない。

 憲法第九条@は、「国権の発動たる戦争と、武力による威嚇又は武力の行使は、国際紛争を解決する手段としては、永久にこれを放棄する」と、述べている。さらにAで「前項の目的を達するため、陸海空軍その他の戦力は、これを保持しない。国の交戦権は、これを認めない」と、定めている。

 現行憲法を全面的に改正するために、時間的な余裕がない。

 それであれば、せめて第9条2項だけでも、大急ぎで書き直して、「国家の独立を守るために、自衛軍を保持する」と、うたいたい。楯となる自衛隊員に、防人(さきもり)としてふさわしい地位を与えたい。


  日本を守るD〜防衛費増額の国会審議を〜
    Date : 2017/04/24 (Mon)
 北朝鮮は4月16日、ピョンヤンで大規模な軍事パレードを行った翌日の早朝に、日本海沿岸からミサイルを試射したが、失敗した。米韓軍合同司令部によれば、中距離弾道ミサイル(IRBM)だった。

 トランプ大統領は米国まで届くICBMを試射する確証をえたら、先制攻撃を加えると警告している。「アメリカ・ファースト」――「アメリカン・セイフティ(米国の安全)ファースト」なのだ。

 日本が頭から火の粉をかぶることになるが、トランプ政権は、剣道でいえば「肉を斬らせて、骨を斬る」ことになる。肉は日本だ。

 私たちの眼のすぐ前で、朝鮮半島に点火する導火線が、火花を散らして燃えている。

 いつ、朝鮮半島に火の手があがることになるのだろうか。

 私はまだ1年あまりは、時間的な余裕があると思う。あるいは、2年あるだろうか。

 米国は中国という龍に北朝鮮に強い圧力を加える芸を、教え込もうとしている。中国が鍵を握っている。だが、中国はホワイトハウスの庭に飼われる、ポチ龍にはなりたくない。

 中国の習近平主席は「偉大な5000年の中華文明の復興」、英訳すれば「メイク・チャイナ・グレイト・アゲイン」と叫んで、中国国民の人気を博してきたのに、北朝鮮のおかげで米国に対して威張れなくなった。

 といって、米国のいうままになって、北朝鮮に核開発を放棄するように、真剣になって迫ることはしまい。

 北朝鮮が核やミサイル開発を、投げ棄てることはありえない。核やミサイル実験を行わなくても、核武装国家のイスラエルの例のように、性能を高めることができる。

 このまま進んでゆけば、米国はいずれ北朝鮮を、攻撃することとなろう。

 国会は与野党が一致して、ミサイル迎撃システムを強化し、北朝鮮のミサイル基地を攻撃する能力を保有するために、防衛費を画期的に増額することを、集中審議すべきだ。

 中国にとって、米国が好戦的な暴力国家としてイメージを大きく損ね、日本がミサイルを浴びて傷つくほど、美味しいことはない。

 72年前に、朝日新聞と狂気に取り憑かれた軍人たちが、日本精神さえあれば「神州不滅」だと叫んで、「一億総特攻」をあおった。

 護憲派が「平和憲法」さえあれば、「日本は不滅」だと説いているが、72年前に「一億玉砕」の道を突き進んでいた、恐ろしい亡霊が全国をさまよっているとしか思えない。

 祈りや精神力だけでは、日本を守れない。


  日本を守るC〜岸田外相「万全の態勢」は本当か〜
    Date : 2017/04/24 (Mon)
 4月15日は、金王朝の創始者の金日成主席の生誕105周年を祝う、「太陽節」(テャンチョル)だった。朝鮮民主主義人民共和国の最大の祝日だ。

 ピョンヤンの大広場で、新型のミサイルが次々と登場し、“虎の子”の部隊が行進する盛大な式典が挙行された。
雛壇から朝鮮労働党副委員長が、「核戦争には、核攻撃で応える!」と、叫んだ。

 大型のミサイルが登場すると、世界でもっとも若い、33歳の最高指導者である金正恩朝鮮労働党委員長が、お気に入りのオモチャ箱の兵隊を見るように、笑顔となった。

 この夕方、岸田文雄外相が記者団に、「いかなる事態にも対応できるように、万全の態勢を整えている」と、語った。

 トランプ大統領は北朝鮮が核実験の準備に取り組むか、アメリカまで届くICBM(大陸間弾道弾)の試射をはかる場合に、先制攻撃を加えると、繰り返し警告している。

 米国が北朝鮮の核施設とミサイル基地を摘出する、限定的なサージカル・ストライク(外科的攻撃)を加えたら、北朝鮮は体制の威信を賭けて、南北軍事境界線(DMZ)から45キロしか離れていないソウルを砲撃を開始し、日本へ向けてミサイルを発射することになる。

 韓国にある多数の原発が被弾したら、偏西風に乗って、日本全国が放射能によって覆われる。

 1950年から3年にわたった朝鮮戦争の再演には、ならない。北朝鮮は全面戦争を戦ったら国家的自殺になるから、開戦5、6日以内に国際世論を背景にして、国連、中国、ロシアが間に入って、停戦が成立することを見込もう。

 北朝鮮が日本へ多数のミサイルを、同時に撃ってきたら、日本は迎撃して全て破壊する能力がないから、ひたすら耐えるほかない。

 ブッシュ(父)大統領の時、1991年にフセイン大統領のイラクがクエートを侵略すると、中東戦争が起った。イラク軍をクエートから駆逐したところで終わったが、このあいだにイスラエルが、イラクから38発のミサイル攻撃を蒙った。

 イスラエルはハイテク先端国家で、いまでも「アイアン・ドーム」(鋼〈はがね〉の天井)と呼ばれるミサイル迎撃システムを持っているが、空中で全てを破壊することができなかったから、多くの市民が犠牲となった。

 岸田外相が「万全の態勢を備えている」と述べたが、前大戦で米国が日本全土を空襲する前に、軍部が「来るなら来い! 我に鉄壁の備えあり」と、豪語したのと変わらない。


  日本を守るB〜属国憲法では国民の生命は守れない〜
    Date : 2017/04/21 (Fri)
 4月15日に米大手テレビが、「トランプ政権が北朝鮮が核実験を行う確証をえたら、先制攻撃を加えることを決定した」と、報じた。

 北朝鮮は「最高指導部が判断した時に、いつでも核実験を実施する」「米国の先制攻撃に手をこまねず、粉砕する」と反発した。

 朝鮮半島は一触即発だ。トランプ大統領と、金正恩朝鮮労働党委員長の予測不能の2人が、朝鮮半島と日本に戦火を招こうとしている。

 3月6日に戻ろう。北朝鮮はミサイル4発を、日本を威嚇するために日本の沖合へ向けて発射した。そのうち3発を、秋田県のすぐ沖合に撃ち込むことに、成功した。

 そのうえ、念を押すように、7日後にマレーシア空港で、金委員長の異母兄の金正男氏を猛毒神経ガスのVXを使って、暗殺した。他の毒物もあるのにX]を用いたのは、大量のVXを貯蔵していることを、誇示したのだ。

 北朝鮮はかねてから米国と交渉して、北朝鮮を核保有国として認めさせたうえで、米朝国交を結び、金王朝体制の存続を保障することを狙ってきた。それに対して、米国が核開発を放棄しないかぎり話し合わないと、頑なな態度をとってきたので、日本を脅して、米国に無条件で交渉に応じるように哀訴させることを、目論んだものだった。

 ところが、3月6、13日以後も、日本の国会は朝鮮半島の危機が刻々と募っていったのをわきに、与野党ともに属国根性を丸出しにして、何が起こっても米国に任せておけばよいと、4月に入ってからも、わずらわされることなく、おもしろおかしく森友学園問題に没頭していた。

 金正恩委員長は最高幹部一同を前にして、「ソルマ(まさか!)」「イルボヌン(日本は)チョンヒョジュクゥムウル・ドゥリョウォハジアンコナ(よほどの生命知らずか)コプチェンイイゴナ・ドゥルジュンエハナダ(腑抜けのどちらかにちがいない)!」と、叫んだにちがいない。

 5月3日には、日本国憲法が70周年を迎える。米国が70年前に日本を属国とすることをはかって、押し付けたものだ。

 私は「平和“無抵抗”憲法」と、呼んでいる。おそらく護憲派が全国にわたって、属国憲法の記念日を祝う集会を催すことになるだろう。

 属国根性で国民の生命を守ることは、できない。私は日本国憲法や、森友学園の籠池夫妻と心中したくない。


  日本を守るA〜半島危機 北は何を求めているのか〜
    Date : 2017/04/20 (Thu)
 朝鮮半島で戦争が始まる可能性が、高まった。日本は戦後で最大の窮地に、立たされるようになっている。

 トランプ大統領は、オバマ政権が中国という暴れ龍を仕付けることを怠り、北朝鮮の核・ミサイル開発を放置していたツケを、支払うことを強いられている。

 私はトランプが大統領選に勝ったのを、手放しで喜んだ。もし、ヒラリーが勝ったら、オバマ政権の8年間の対外政策の無策が続くことになって、世界がいっそう安定を失うことになったろう。

 私はトランプと「オポチュニティ」(機会)を合成して「トランポチュニティ」(Trumpportunity)と呼んだが、トランプが予測不能だから期待した。それに選挙中、事務所にレーガン大統領とジョン・ウェインの等身大の写真を飾って、「メイク・アメリカ・グレイト・アゲイン」と叫んでいたが、「メイク・アメリカ・タフ・アゲイン」と聞こえた。

 トランプ大統領は、北朝鮮がアメリカまで届く核ミサイルを完成することを、「絶対に許さない」と、いっている。北朝鮮が6回目の核実験を強行する場合には、核施設や、ミサイル基地を攻撃するか、中国に北朝鮮への石油の供給を、完全に停めることを求めよう。

 いったい、北朝鮮は何を求めているのだろうか?

 北朝鮮は何よりもアメリカと交渉して、アメリカが北朝鮮を核保有国として認めたうえで、米朝間に国交関係を結ぶことによって、金王朝の存続を保証することを強く望んでいる。

 ところが、ティラーソン国務長官は米中首脳会談が終わってから、「北朝鮮が核開発を放棄しないかぎり、話し合いに応じない」と、言明した。

 3月6日に、北朝鮮が4発のミサイルを発射して、3発が秋田県沖合に弾着した。その直後に、北朝鮮は「在日米軍基地を狙った演習だった」と声明した。日本の沖合に4発とも落すつもりだったが、1発が外れたにちがいない。

 4発のミサイル発射は、北朝鮮のアメリカへの熱烈な“ラブコール”だった。

 7日後にマレーシア空港で、異母兄の金正男氏を、VXガスを用いて暗殺した。なぜ、他の毒物を使わなかったのか。VXガスを大量に貯蔵していることを、示したかったのだ。

 おそらく、安倍首相がアメリカの袖に縋って、北朝鮮と話し合うように哀願することを、期待したにちがいない。


  日本を守る@〜鷲と龍の動向〜
    Date : 2017/04/20 (Thu)
 アメリカ鷲と中国龍が、4月6、7日に、フロリダのトランプ別荘で対決した。

 核の牙を磨ぐ北朝鮮と、翌月の3日に平和憲法70周年記念日を迎える日本と、その6日後に親北か、親米か選ぶ大統領選挙が迫る韓国が脇役として、舞台裏に控えていた。

 初日の午後8時40分(フロリダ時間)に、地中海に浮ぶアメリカの駆逐艦から、ミサイルがシリア空軍基地に撃ち込まれた。

 フロリダでは、トランプ大統領と習近平主席がシャンペンソース添えシタビラメと、ニューヨークカットのステーキを頬張って、デザートが配られているところだった。トランプ大統領が習主席に、シリアへミサイル攻撃を加えたと告げて、支持するように求めた。

 習主席はその時、一瞬、呆然としたが、「多くの赤ん坊が殺されたから、仕方がない」と力なく、つぶやいた。習主席に随行した幹部のうち何人か、唖然としたにちがいない。

 この数時間後に、ロシアがアメリカのシリアに対するミサイル攻撃は侵略行為だと、激しく非難した。

 中国は2ヶ月前に国連安保理事会で、シリアのアサド政権が2013年から市民に対して、化学兵器を用いたという化学兵器禁止機関(OPCW)の調査結果にもとづいて、シリアへ制裁を加える決議案が提出されたのを、ロシアとともに拒否権を行使して、葬ったばかりだった。

 習主席は自分と、プチン大統領の顔に泥を塗ったのだった。

 習主席は年末の19回共産党大会で、中国13億人の「核心」である最高指導者として、もう1期5年選出されるために、アメリカとできるだけ波風をたてたくなかったから、トランプ大統領にとっさに媚びたのだった。

 トランプ大統領は習主席に北朝鮮の核ミサイル開発を阻むために、中国がよそ見をしないで、真剣に協力するように求めた。それでなければ、アメリカが「ゴー・イット・アローン」(単独で行動する)といって、凄んだ。北朝鮮に龍をけしかけたのだが、ここしばらくは中国の出方を見守ろう。

 もし、アメリカが北朝鮮に軍事攻撃を加えたら、韓国と日本が戦火に包まれる。

 アメリカは原子力空母『カール・ビンソン』を中核とする機動打撃群を、朝鮮近海へ急行させた。北朝鮮は怯んで、きっと予定していた6回目の核実験を、半年か、1年か、延期することになるだろう。だが、このままゆけば、朝鮮半島は遅かれ早かれ、爆発しよう。


  中国の野望を封じる強固な日米同盟
    Date : 2017/04/07 (Fri)
 トランプ政権が発足してから2か月余りが過ぎたが、まずは順調である。

 オバマ政権が中国という巨龍をしつけることを怠ったために、中国が我が物顔に振る舞って、太平洋諸国を脅かし、南シナ海に7つの人工島を造成したが、トランプ政権が強面(こわもて)をしているために、中国が尻込みして、守りの姿勢をとるようになった。

 メキシコとの壁は、クリントン政権のもとで建設がはじまって、オバマ政権が半分までつくっていた(なぜか、日本のマスコミはこの事実を報じない)が、トランプ大統領の過激な発言によって、メキシコから流入する不法移民の数が、激減している。

 アジアにおける最大の不安定要因は、中国と北朝鮮である。中国は太平洋の覇権を握ろうとして、南シナ海を埋め立てて、人工の要塞島をつくるかたわら、大海軍を建設に狂奔して、太平洋に“海の万里の長城”を築こうとしている。

 それに対して、トランプ政権は日米同盟を中核に据えて、アジア太平洋諸国とともに、中国の野望を閉じ込める“長城”をつくって、対抗しようとしている。

 トランプ政権が発足してから、アメリカの株式市場が活気づいている。

 泣きべそをかいているのは、政権を失った民主党だ。

 トランプ大統領は国内製造業の保護、工場労働者の職を守る、10年間で10兆ドルという壮大な投資を行うことによって、大規模なインフラ整備を進めることを約束して、本来なら民主党が行うべき政策を奪ってしまった。

 昨年の大統領選挙では、民主党の伝統的な地盤である労働者層(ブルーカラー)が、トランプ候補にこぞって投票した。民主党はこれまで巨大な労働組合組織によって、しっかりと支えられてきたのに、労働貴族となった組合幹部だけが、ヒラリー夫人を支持した。

 民主党は、新聞、テレビの大手マスコミ、有名大学の知識人、インテリ層などのエリートによって支えられてきたが、トランプ候補に喝采する、下積みの大衆の軍門に降った。

 民主党はトランプ大統領によって夢を奪われて、意気沮喪しているだけではなく、ヒラリー夫人のあとを継ぐ者が、1人もみあたらない。頭部を切り落されてしまった鶏のように、意味もなく走りまわっている。

 昨年の大統領選挙で負けたのは、ヒラリー夫人だけではなかった。“朝日新聞的良識”を代表するニューヨーク・タイムズ紙をはじめとする大新聞、知的体制(エスタブリシメント)の意見しか代弁しない大手テレビも、あげてヒラリー候補を応援したために惨敗した。

 トランプ大統領が大手マスコミを懲らしめるために、マスメディアとはっきりと敵対し、新聞にも、大手テレビにもよらず、ツイッターを使って見解を表明しているために、大手メディアは深い傷を負うようになっている。大手メディアの社員は、庶民よりもはるかに高い収入をえて、大衆を見下してきた。

 このために、国民の大手メディア離れが進んでいる。大手マスコミは二度と立ち上れないのではないか。

 アメリカの大手メディアが捲き返しをはかって、トランプ叩きに血道をあげている。日本の大手マスコミも、直感的に同病相憐れむことを覚って、ことあるごとにトランプ叩きに耽っている。

 トランプ大統領は安倍首相が2月に訪米すると、手厚くもてなした。メルケル首相、オランド大統領が精彩を失い、キャンベル首相が昨年失脚したあとで、安倍首相が世界で抜きん出た政治家となっている。それにアメリカがアジアで頼れる国は、日本しかない。

 日本の大手テレビが番組で、2月の日米首脳会談に当たって、「安倍首相が手玉に取られたのではないか」といったが、属国根性丸出しで、卑しいとしかいえない。

 もっと、日本に自信をもってほしい。


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