加瀬英明のコラム
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  自壊へと誘う覇権主義の幻想
    Date : 2018/10/10 (Wed)
 トランプ政権が発足してから、もうすぐ2年になる。

 トランプ政権は異端だといわれる。このあいだに、アメリカと世界のありかたが、何と大きく変わったことだろうか。

 日本をとれば、戦後、アメリカを日本を守ってくれる親鳥だと見做してきたが、はじめて外国として見るようになった。

 いったい国家が幻想によって、動かされるものだろうか?

 アメリカは第2次大戦後、世界のためにアメリカが世界の覇権を握るべきだという、幻想にとらわれてきた。アメリカはこの幻想から、世界に軍事基地網を張りめぐらせ、アメリカに従う諸国の国防を肩代わりしてきた。

 このもとで、グローバリズムという幻想が世界に撒き散らされたが、世界をアメリカの経済的覇権のもとに置くという、身勝手な欲望と一体になっていた。

 アメリカの大企業はこの幻想に乗じて、製造部門を中国を頭とする人件費が安い海外へ移すかたわら、安い製品を輸入して、国内の労働者の犠牲のうえに、懐(ふところ)を富ませてきた。

 トランプ大統領は「アメリカ・ファースト」(アメリカの国益を第一にする)を唱えて、この幻想を吹き払う世直し一揆の先頭に立っているために、グローバリズムの利得者であってきた民主党幹部、大企業、大手マスコミ、著名シンクタンクから袋叩きにあっている。

 トランプ大統領は共和党にとっても、部外者だった。そのために、異端者の烙印を押されている。

 トランプ大統領が習近平国家主席に関税戦争という、強烈な足払いをかけている。 

 習主席は中国経済がアメリカ市場という脚のうえに立っているために、大きく蹌踉(よろめ)いている。

 中国は今世紀に入ってから、かつてのソ連と同じように自壊への道を、ひたすら驀進するようになっている。

 習主席は「偉大なる五千年の中華文明の復興」という幻想に酔って、身の程を知らずに、見せかけが壮大な「一帯一路」計画と、大海軍の建設を中心とする軍拡を強行している。

 そのかたわら、分離独立闘争を恐れて、新疆ウィグル自治区や、チベットの西域や、中部、北部に、巨額の投資を行っている。

 「一帯一路」計画はアジアからヨーロッパまで、70ヶ国近くを“幻想の中華圏”に取り込もうとする、野心的というより杜撰(ずさん)な大計画だが、すでに多くのアジア諸国で、破綻するようになっている。

 ソ連は1991年に瓦解した。計画経済によって病んでいたのに、シベリア沿海州の開発に浪費するかたわら、東ヨーロッパの衛星諸国という重荷をかかえ、第3世界に進出するために力を注いだうえに、アメリカとの大規模な軍備競争に耐えることができなくなって、無様(ぶざま)に崩壊してしまった。

 ソ連は1950年代から60年代にかけて、日本についで経済成長率が高かった。

 私はソ連が1957年に、アメリカに先駆けて、人工衛星『スプートニク』を軌道に乗せた時に、20歳だった。その4年後に、世界最初の有人衛星飛行を行って、アメリカの朝野を狼狽させたことを、よく覚えている。

 ソ連では1970年代に入ってから、少子高齢化が進むようになり、往年の旺盛な高度成長を支えた、豊富だった労働力が失われた。いま、中国で同じことが起こっている。

 クレムリンの最高指導者も、マルクス主義の予言に従って、世界を支配するという使命を負っているという幻想にとらわれて、世界制覇を急いだために、墓穴を掘った。

 日本は占領下でアメリカによって下賜された「平和憲法」があるかぎり、アメリカが日本を子々孫々に至るまで、守ってくれるという幻想に、安全を託している。

 護憲主義者は日本国憲法とともに、滅びる道を選びたいのだろうか。


  国家自立の気概、憲法修正で示せ
    Date : 2018/10/05 (Fri)
 北朝鮮危機が日本のうえに重くのしかかるもとで、北朝鮮によって捕われている拉致被害者を一刻も早く救い出すことが、悲願となっている。

 それなのに、その糸口を掴むことさえ、まだできないでいる。

 横田めぐみさんが北朝鮮の工作員によって攫われて、北朝鮮に拉致されたのは、1977年11月15日のことだった。すでに41年もの時が、流れている。同じ時期に、他の多くの日本国民が同じように日本国内から拉致されて、北朝鮮に捕われたままでいる。

 いったい、拉致被害者は誰の被害を蒙っているのだろうか?

 これは、テレビも新聞も、誰もいわないことだが、拉致被害者は“平和憲法”と呼ばれる日本国憲法の被害者である。なぜ、それをいう者がいないのか。

 もし、日本が1952年に対日講和条約によって独立を回復してから、数年以内に現行憲法を改正して、それぞれ日本の人口、GDP(国内総生産)が、ともに半分しかない、イギリスか、フランス程度の軍備を整えていたとすれば、みすぼらしい小国にしかすぎない北朝鮮によって、多くの日本国民が日本の国土から、拉致されるようなことはありえなかった。

 イギリスも、フランスも、国土と国民を守るために、核ミサイルを搭載した潜水艦や、航空母艦を保有している。もちろん、イギリスもフランスも全世界から、平和国家として認められている。

 いったい、多くの自国民が隣国によって拉致されても、傍観するほかない国を、「平和国家」と呼ぶことができるものだろうか?

 アメリカは日本が占領下で主権を奪われていた時に、アメリカの平和を守るために、日本人の精神の非武装化と、日本の物理的な武装解除を企てて、占領下にある国の基本法を変更することを禁じた国際法を踏み躙って、現行憲法を押しつけたのだった。そのために、占領軍は日本国民が、この憲法を自主的に制定したという嘘を強要して、体裁を繕(つくろ)った。

 現行憲法は多くの日本国民によって、“平和憲法”と誤まって呼ばれているが、日本の平和ではなく、“アメリカの平和”をはかったものである。

 現行の「日本国憲法」は、アメリカが対日占領を始めた1年2ヶ月12日後の翌年の1946年11月に公布され、その翌年5月に施行された。

 ところが、その僅か4年1ヶ月後に、まだ日本は占領下にあったが、朝鮮戦争が勃発したために、アメリカは日本を“丸腰”にしてしまったことを悔いて、慌てて警察予備隊という、疑似的な“軍隊”を創設することを、命じた。

 自衛隊、疑似国家の疑似軍隊で良いのか

 占領軍が強いた「日本国憲法」の耐用期限は、4年1ヶ月しかなかったのだ。今日、私たちは耐用年数が、68年も前に切れている自転車か、自動車に、毎日乗っているようなものであって、危険きわまりない。

 この「日本国憲法」でさえ、第1條で「国民が主権者」であることを謳って、規定している。

 主権者ということは、日本国民が日本の所有主であることを意味している。それなのに、「日本国憲法」が「戦力の保持」を禁じているために、日本国民は今日に至るまで、自らの手で国を守ることを拒んでる。

 自分の所有物を守ろうとしないのでは、とうてい主権者といえない。主権者のいない国家は、国家に価しない。

 今日の日本は、疑似国家でしかない。このような国家のありかたは、軍隊ではないとされている自衛隊に、双生児のようによく似ている。 

 先の大戦が終わってから、多くの日本国民が現実を直視することを、避けるようになった。敗戦までの日本が邪しまな国家であったという、ゆわゆる東京裁判史観が、多くの国民によって信じられ、自虐史観にとらわれている。

 産経新聞のソウル駐在客員論説委員として、韓国における生活が長い、黒田勝弘氏が今日の韓国について、「韓国民の反日感情というのは、日本による朝鮮半島支配が終わった後、日本においては戦後、彼らにおいては、いわゆる解放後に形成されたものである」(『それでも私はあきらめない』黒田福美著、あとがき、WAC株式会社)と、述べている。

 日本の朝日新聞社をはじめとする、偏向左翼による自虐的な「反日」も、敗戦後に形成されたものだから、韓国を笑うことができない。

 また夏が巡ってきた。今年は異常な猛暑が続いたが、8月になると先の大戦の敗戦を回顧することが、年中行事となっている。

 だが、対米戦争と敗戦は、日本が自ら招いたものではなかった。

 これは、歴史的事実である。日本政府と軍部は開戦の直前まで、戦争を避けようとして、ひたむきな努力を傾けた。アメリカも日本と同じように、真剣に平和を求めているはずだと誤って信じたために、ルーズベルト政権が仕掛けた罠に嵌ったのだった。

 もし、異論がある読者がおいでになったら、拙著『大東亜戦争で日本はいかに世界を変えたか』(KKベストセラーズ)、私が編者となった『日米戦争を起こしたのは誰か・フーバー大統領回顧録を論ず』(勉誠出版)を、お読みいただきたい。

 今年は、アメリカの対日占領が終わってから、66年以上が過ぎている。

 日本の惨状、いつまで米国のせいにするのか

 それなのに、多くの保守派の人々が、アメリカの占領政策のお蔭で、日本国民が自立心を失なったといって、アメリカを批判する。

 これらの人々は、これから10年、20年、いや、30年、40年たっても、アメリカの占領政策によって、日本の国民精神が歪められてしまったと、アメリカのせいにし続けるのだろうか?

 これでは、韓国が35年にわたった日韓併合時代が終わってから、すでに73年もたったというのに、日本統治を非難することに没頭して、自立することができずにいるのと、まったく変わりがないではないか。日本がいつの間にか、“第二の韓国”となってしまったのだ。

 8月に、防衛省が28年ぶりに、自衛官の採用年齢の上限を、今年10月から6歳引き上げて、32歳にすることを発表した。少子化によって、応募者が減少しているからだというが、いま、はじまったことではない。陸上自衛隊の定員が15万人と定められているのに、2万人が欠員となっていて、13万人しかいない。

 少子化のために、全国で定員に届かない大学が多いが、このような大学の学生の質は、当然低い。自衛隊員のなかには、優秀な隊員が少なくないが、定員を満たすことができないために、全体の質と士気が低い。

 海上自衛隊も護衛艦が、定員に満たない人数で、出航している。

 東日本大震災では、予備自衛官に招集をかけたが、1パーセント以下しか招集に応じなかった。即応予備自衛官も招集に応じた者は、半分以下だった。

 そのうえ、若者が自衛隊に応募しないために、自衛隊は世界のなかで、もっとも高齢化した軍隊となっている。旧軍では陸軍の中隊長は20代だったのに、陸上自衛隊では40代末か、50歳が珍しくない。

 予算がないので、必要な装備も足りない。

 これも、憲法に自衛隊の存在が書かれていないからだ。

 国防意識回復のため憲法に自衛隊明記を

 国民が国防意識を回復するために、1日も早く憲法第9条に自衛隊を保有することを、書き加えなければならない。

 これは全面的に改定するのではないから、「憲法改正」というより、「憲法修正」と呼ぶべきだ。

 「親中」「媚中」が、戦後の日本の歩みを大きく狂わせた。

 1972年に田中角栄内閣のもとで、日中国交正常化性急に行われた時に、私は『文藝春秋』『諸君』の誌上で、中国は信頼できないといって、強く反対した。日本が、日中国交正常化を煽り立てる新聞世論によって、押し流されていた。

 いま、もはや「日中友好」を唱える声がきかれなくなったというのに、「子々孫々に至る日中友好」を叫んでいた大新聞から、反省の声がきかれない。

 そのかたわら、いまだに議憲派が国論を2分する力を持っている。

 憲政民主党は“憲法解釈”による、「専守防衛」を堅持すべきことを主張しているが、敵軍が日本国土に上陸するか、航空機、ミサイルが国土の上に飛来するまで、迎え撃ってはならないと説いているから、大戦末期に「一億総特攻」「本土決戦」を呼号した、狂信的な旧軍将官の再来でしかない。
 だが、枝野幸男氏をはじめとする議憲派が、そこまで常規を逸しているはずがない。

 議憲派は、どのような状況のもとでも、アメリカ軍が「子々孫々」に至るまで、日本をしっかりと守ってくれると信じて、疑わないのだろう。

 日本国憲法は、アメリカ軍の保護なしに、成り立たない。

 議憲主義は自立心を捨てて、アメリカへの甘えを表わしたものでしかない。「日本国憲法」は独立国としての誇りと、自立心を捨てた国民でなければ、憲法として戴くことができない欠陥法だ。

 議憲派は、“媚米派”である。中国であれ、アメリカであれ、外国に媚びるのは、恥しい。媚びるほど、卑しいことはない。

 このままでは、国家の存在を危ふくする。 


  安倍首相は日本のために新たな国造りをしてほしい
    Date : 2018/09/28 (Fri)
 8月にテレビ番組で、「平成がすぐに終わりますが、平成をどのようなことによって、記憶されますか?」と、たずねられた。

 私はとっさに「平成の30年の間に、憲法を改められなかったことだ」と、答えた。

 現行の「日本国憲法」は、アメリカによる対日占領が始まってから、僅か1年3ヶ月後に公布された。この「憲法」は、大日本帝国憲法を改正した体裁をとっているが、大幅な改定であって、占領軍による強要がなければ、とうてい1年で行えるものではなかった。

 私はついでに、戦後の73年を振り返ったら、どう思うだろうか、考えた。

 「日本国憲法」が公布されてから、71年になる。日本が講和条約によって独立を回復してから、66年の歳月が流れた。それなのに、なぜなのか、この憲法がいまだに私たちの上に居座っている。

 「日本国憲法」は冒頭から、大嘘で始まっている。「平和を愛する諸国民の公正と信義に信頼して、われらの生存と安全を保持」(前文)すると述べて、すべての国が平和を愛し、公正と信義を重んじていると説いている。誰が読んでも、嘘偽りではないか。

 今日でも、政府、大手新聞・テレビは、日本が連合国に「無条件降伏」したというが、これも大嘘だ。学校教科書も「無条件降伏」したと記さなければ、検定に合格しない。

 日本は『ポツダム宣言』を受諾して降伏した

 日本は『ポツダム宣言』を受諾して降伏したのであって、「吾等ノ条件ハ左ノ如シ。吾等ハ左條件ヨリ離脱スルコトナカルヘシ」と述べて、「日本国軍隊ノ無條件降伏」のみを、求めている。事実は、名誉ある条件付降伏を行ったのだった。

 1950年6月に、占領下で朝鮮戦争が勃発すると、その2ヶ月後に占領軍は「日本国憲法」によって「陸海空軍その他の戦力」の保持を禁じたはずなのに、日本政府に警察予備隊という軍事組織の創設を命じた。

 日本はその1年8ヶ月後に独立を回復し、3ヶ月後に警察予備隊を保安隊と改称し、1954年にさらに自衛隊に改めた。

 今日、自衛隊は国際的には軍隊として認められているが、国内では政府、国会が軍隊ではないと言い張っている。日常生活でこのような詭弁は、とても許されないだろう。

 自衛隊には「普通科連隊」「特科連隊」という、一般の国民に理解できない部隊が存在しているが、歩兵と砲兵のことだ。自衛隊が軍、兵でないと偽ってきたからだ。このために、自衛隊には意味不明な用語が多い。

 占領下で連合国による、いわゆる「東京裁判」が行われ、敗戦までの日本の指導者が「アジアを侵略した罪」によって裁かれた。

 だが、連合国は敗戦翌年の5月から3年半にわたって“裁判”が行われていたあいだ、オランダ、イギリス、フランス軍が、日本が大戦中に解放したアジアの民を再び植民地支配のもとに置こうとして、アメリカに援けられて、侵略戦争を戦っていた。

 戦勝国こそアジアを侵略していた

 この事実だけでも、「東京裁判」が勝者による不法な私刑(リンチ)でしかなかったことが明白なのに、今日でも多くの国民が「東京裁判史観」という嘘を、鵜呑(まるの)みにしている。

 国民があからさまな嘘を信じて、よいのだろうか?

 ニューヨークのマンハッタンに、「ジ・ユナイテッド・ネーションズThe United Nations」と呼ばれる国際機関がある。UNの略称で知られているが、先の大戦中に日本が沖縄戦を戦っている時に、連合国が戦後世界を経営するために、サンフランシスコで誕生し、日本は1956年に加盟することを許された。

 日本では「国際連合」と訳されて、「国連」と略されているが、このような名称の国際機関は、世界のどこにも存在していない。

 もともと「ジ・ユナイテッド・ネーションズ」という呼称は、ルーズベルト大統領が真珠湾攻撃直後の1942年1月1日に、日本と戦っていた26ヶ国の代表をワシントンに集めて、「ジ・ユナイテッド・ネーションズ(連合国)」と呼ぼうと、提案したことによった。

 「ジ・ユナイテッド・ネーションズ」は、第2次大戦を戦っていた一方の軍事同盟の呼び名である。サンフランシスコで国際機関の「ジ・ユナイテッド・ネーションズ」が結成された時に、日本と戦っていることが加盟資格とされた。

 加盟資格について「すべての平和愛好国」と規定されたが、日本、ドイツをはじめとする枢軸国と戦っていることが、「平和を愛好する国」の条件とされた。そのために、多くの国が「平和を愛好する国」として資格をえるために、日本とドイツに急いで宣戦布告した。

 「国際連合(国連)」は「連合国」の偽名だ

 マンハッタンにあるのは、連合国(ジ・ユナイテッド・ネーションズ)の本部だ。

 日本でも「ジ・ユナイテッド・ネーションズ」は、敗戦の11月までは「聯合國」と正しく訳されていた。今日、日本で「国連憲章」と呼ばれる連合国憲章を起草するために、連合国の代表がサンフランシスコに参集したが、当時、日本の外務省は当然のことに「ジ・ユナイテッド・ネーションズ」を、「聯合國」と訳している。

 ところが、11月から「聯合國」が「國際聯合」と曲訳されるようになった。

 連合国憲章を「国連憲章」と訳してきたが、外務省による正訳では、「国連憲章」は「われら連合国の人民は‥‥」(原文は「ウィー・ザ・ピープルズ・オブ・ジ・ユナイテッド・ネーションズ」)から始まっており、「ジ・ユナイテッド・ネーションズ」を、「連合国」と正しく訳している。

 日本はうそ偽りを精神の拠り所としてきた

 冒頭で「連合国」と訳しているのに、「ザ・チャーター・オブ・ジ・ユナイテッド・ネーションズ」は、「国際連合憲章」と誤訳している。翻訳では同じ言葉を同じように訳さなければならないのに、おかしい。

 「ジ・ユナイテッド・ネーションズ」は誕生した時から、5つの公用語の1つである中国語では、「連合国(リエンホーグオ)」である。韓国と北朝鮮も「国連」を正しく、「連合国(ヨナブグク)」と呼んでいる。

 同じ敗戦国のドイツでは、ドイツ語で国際連盟が「ディ・フルカーブンド」であったのに対して、「国際連合」はドイツが戦った連合国と変わらない「ディ・フェアインテ・ナツィオネン」(連合国)と呼ばれている。イタリア語でも「レ・ナツィオニ・ウニテ」であって、「連合国」だ。

 敗戦を「終戦」、占領軍を「進駐軍」と呼んで、現実を誤魔化したように、「ジ・ユナイテッド・ネーションズ(連合国)」を、戦前あった国際連盟をもじって、「国際連合」に擦り替えたのだった。

 この誤訳のために、日本国民は「国連」が諸国の権力闘争の場でしかないのに、「平和の殿堂」だと誤解して、崇めてきた。

 日本政府も、「国連」が中心をまったく欠いているのに、つい十数年前まで「国連中心主義」を、外交の基本方針としていた。

 日本国民の精神の拠り所となってきた「日本国憲法」も、「国際連合」も、うそ詐(いつわ)りでしかない。

 日本国憲法は日本を夢遊病にしている

 日本国民は作り事の世界に生きてきたために、現実を直視する力を失ってしまっている。

 占領下では自由を奪われていたために、無法に従わなければならなかったから、仕方がなかったが、独立を回復した後も、嘘を崇める国となっているのは、なぜなのか。

 私は幼い時に祖母から嘘をつくと、閻魔様に舌を抜かれると教えられたが、日本人はあのころより全員が、はるかに冗舌になっているから、祖母の話は迷信だったにちがいない。

 安倍首相が自民党総裁選挙に出馬するのに当たって、「平成の先の時代へ向けて、新たな国造りを進めていく、先頭に立つ決意だ」と述べているのに、大いに期待したい。


  旧ソ連と同じ道を歩むか 中国の「一帯一路」計画の成否
    Date : 2018/09/25 (Tue)
 トランプ大統領が、習近平国家主席に関税戦争という、強烈な足払いをかけている。

 習主席は中国経済がアメリカ市場という脚のうえに立っているために、大きく蹌踉(よろめ)いている。

 だが、それだけではない。中国は今世紀に入ってから、かつてのソ連と同じように、自壊への道を、ひたすら驀進するようになっている。

 ソ連は1991年に瓦解した。効率が悪い計画経済によって病んでいたというのに、シベリア沿海州の開発に国力を浪費するかたわら、東ヨーロッパの衛星諸国という重荷をかかえ、第三世界に進出するために力を注ぐうえに、アメリカとの大規模な軍備競争に耐えることができなくなって、無様(ぶざま)に崩壊した。

 クレムリンの最高指導者は、マルクス・レーニン主義の予言に従って、ソ連が世界を支配するという使命感にとらわれて、身の程を知らずに世界制覇を急いだために、墓穴を掘ってしまった。

 習主席も、「偉大なる5000年の中華文明の復興」という掛け声に、自ら陶酔して、身の程を知らない、見せかけが壮大な「一帯一路」計画と、大海軍の建設を中心とした軍拡を強行しているのを見ると、第2次大戦後にソ連が進んでいた道程に、何とよく似ているだろうかと、思わざるをえない。

 中国は分離独立闘争を恐れて、新疆ウィグル自治区や、チベットをはじめとする西域や、中部、北部に、巨額の投資を行っている。

 「一帯一路」計画は、アジアからヨーロッパまで、70ヶ国近くを“幻想の中華圏”に取り込もうとする、野心的というよりも、ぞんざいきわまりない大計画だが、すでにマレーシア、ミャンマー、パキスタンなどの多くの諸国で、破綻するようになっている。

 ソ連は1950年代から、60年代にかけて、日本についで経済成長率が高かった。

 私はソ連が1957年に、アメリカに先駆けて、人工衛星『スプートニク』を軌道に乗せた時に20歳だった。その4年後に、世界最初の有人衛星飛行を行って、アメリカの朝野を狼狽させたことを、よく覚えている。

 中国では、少子高齢化が進むようになって、往年の旺盛な高度成長を支えた、豊富だった安い労働力が、失われるようになっている。ソ連では1970年代に入ってから、同じことが起こっている。

 私はかねてから、中国人は昔から「ツー(吃――食事)」、「フー(喝――飲酒)」、「ピャオ(嫖――淫らな遊女)」、「トゥ(賭――博打(ばくち))」、「チーティンシ(大聴戯――京劇)」の5つを、生き甲斐にしていると、説いてきた。清朝の歴代の皇帝も、毛沢東、周恩来、江青夫人も、江沢民元主席もみな京劇マニアだった。

 京劇は甲高い声に、耳を聾するけたたましい音曲と、大袈裟な所作による演劇で、誇大妄想を煽るものだ。習主席が好む軍事パレードや、急拵(こしら)えの航空母艦を中心とする大海軍や、絵に描いた餅のような「一帯一路」は、京劇の舞台装置を思わせる。

 現在、中国海軍は艦艇数だけなら317隻で、アメリカ海軍の283隻を上回る。

 今春、中国最初の国産空母が進水して、艤装中だが、西太后が日清戦争の前夜に、北京西郊の頤和園の湖水の岸に、巨額の国費を投じて建造した、大理石の巨船の“21世紀版”だ。西太后もやはり、京劇マニアだった。


  世界を席巻する“トランプ現象”の猛威
    Date : 2018/09/10 (Mon)
 トランプ政権があと数ヶ月で、2年になる。

 トランプ大統領のもとで世界のありかたが、劇的に変わろうとしている。というよりも、世界の仕組みが大きく変わりつつあったから、トランプ大統領が2年前の11月に登場したというのが、正しいと思う。

 トランプ候補が、大手のマスコミによって本命だとされた、ヒラリー・クリントン候補を破って、ホワイトハウス入りを遂げてからも、トランプ大統領が「暴言」を乱発し、衝動的、気紛れであって、大統領として不適格だという非難を、浴びせ続けている。

 だが、このような“トランプ現象”は、アメリカに限られているのだろうか?

 トランプ候補は「アメリカ・ファースト」を約束して当選したが、アメリカが未来永劫にわたって、世界の覇権を握り続けるという、神話を覆すものだった。「メイク・アメリカ・グレイト・アゲイン」という呼び掛けは、アメリカの国益を世界よりも、優先させようというものだった。

 トランプ政権が誕生する前に、イギリスが国民投票を行って、EU(ヨーロッパ共同体)から脱退することを、決定していた。

 このところ、EUは箍(たが)が緩んで、蹌踉(よろ)めいている。EUはヨーロッパを一つに統合しようと、目論んだものだったが、ヨーロッパでは、ハンガリー、ポーランド、スイス、オーストリア、イタリア、ラトビア、ノルウェー、ブルガリア、ギリシアで、自国の利益を優先する“右翼政党”が、次々と政権を担うか、連立政権に加わるようになっている。

 アメリカや、ヨーロッパの大手メディアは、このような動きを「ポピュリズム」と呼んで蔑み、これらの政党を「右翼政党」ときめつけて、貶(おとし)めている。

 「ポピュリズム」は、エリートと既成政党が支配していた“良識的”で、“真っ当”な体制に対して、大衆を煽動して、誤った方向へ向かわせることを、指している。

 トランプ政権の登場も、イギリスのEU脱退も、ポピュリズムによるものとされている。

 ヨーロッパでナショナリズムが復活しているのは、イスラム難民が大量に流入したためだというが、それだけではない。

 アメリカが、よい例だ。アメリカの勘定高い大企業の経営者は、“グローバリズム”と自由貿易体制を礼讃してきたが、製造部門などを中国などの低賃金の諸国へ移して、自国の労働者の職場を奪ってきた。

 トランプ候補はアウトサイダーとして、“良識ある”体制に果敢に挑戦した。

 アメリカでは“弱者”を尊重するあまり、オバマ政権下では、LGBT(レズビアン、ゲイ、両性愛者、性転換者)に、「自分が信じる性に従って、男女どちらのトイレを使ってもよい」という大統領令――法律を発した。

 日本でも同様なことがみられるが、“良識ある”体制が押しつけてきた、いっさいの“差別語”を追放しようとする、行き過ぎた“言葉狩り”が暴走して、先祖伝来の生活環境を破壊するようになっている。

 大手マスコミや学者が、「ポピュリズム」と呼んで貶めているが、“グローバリズム”を信奉する富裕層やエリートに対して、大衆が伝統的な、落ち着いた生活を守ろうとして立ち上がったと、考えるべきである。これは、大都市対地方の戦いだ、といってよかろう。

 大手マスコミや、著名研究所(シンクタンク)、有名大学は、巨大企業によって養われてきたために、ナショナリズムを嫌って、“グローバリズム”を支持している。

 だが、“グローバリズム”を支えてきた国際秩序は、アメリカが自由貿易体制を通じて、巨額な貿易赤字を負担して世界を潤(うるお)し、ヨーロッパや、アジアの同盟諸国の防衛の重荷を担ってきたことによって、成り立ってきた。

 トランプ現象や、ヨーロッパ諸国のナショナリズムを「ポピュリズム」と呼んで、敵視すれば、すむことではあるまい。


  抑圧と分断に翻弄された民族の愛国心と反日感情
    Date : 2018/09/03 (Mon)
 ロシアで行われたワールド・サッカー世界大会で、韓国代表チームが敗れて、5月にインチョン(仁川)空港に帰国したところを、出迎えたファンが罵声を浴びせて、卵を投げつけた。

 韓国チームは2敗したあとで、前回の世界大会の覇者だったドイツに勝ったから、誉められるべきだったと思うが、韓国社会は結果だけを重んじるから、日本のように努力したことを評価しない。

 日本では食物は大切で、神聖なものであるから、人に食物を投げつけることは、絶対にしない。韓国と日本は隣国だというのに、人々の価値観がまったく異なっていることに、驚かされる。

 だが、韓国も、日本も長いあいだにわたって貧しい国で、しばしば飢饉にも見舞われたから、食べ物は尊いものだったはずだ。

 それなのに、韓国では人を罵って、卵をぶつけることが珍しくない。

 卵は貧しかった時代には、韓国でも、日本でも貴重な滋養源だった。日本では幼い時から、親から食物を粗末にしたら罰(ばち)が当たるといって、厳しく躾けられた。

 私の親しい韓国のO教授が日韓の違いを説明して、「韓国人はみんな見栄を張るからです。卵も貴重なものであったから、自分は卵を投げることができるほど、豊かだということを、見せるためですよ」と、教えてくれた。

 韓国語では、「ホーセプリダ」(虚勢(ホーセ)を張る)とか、「ホーヨンプリダ」(虚栄(ホーヨン)を飾る)という。誰もが空ら威張りする天性が、あるのだ。

 ちなみに、韓国の1人当りのGDP(国内総生産)は、日本の3分の2にみたないのに、韓国では卵1ケがほぼ200ウオン(日本円で30円)であるのに対して、日本では20円あまりだ。韓国のほうが金利も物価も高いが、昔から社会が安定しなかったために、貯蓄する習慣がなく、全員が借金癖に取りつかれているためだ。

 日本では誰もが、謙虚であることを求められる。自己を抑えて、互に譲り合わなければならないが、韓国では自己主張が強く、人を押しのけながら力のある者に、諂(へつ)らわなければ、生き残ることができない。韓国人誰もがそろって認めるように、住みづらい社会なのだ。弱い者は惨めな落伍者になってしまう。

 嘘をつくのも、自己防衛のために必要だから、そうするうちに嘘が真実になってしまう。

 嘘はしばしば、家族や、一族、自分が属している党派を守るために、必要な手段となる。先の大戦中の慰安婦(ウイアンプ)が、職業的な売春婦だったのが事実であるのに、日本によって拉致された性奴隷(ソンノーイエ)だったという嘘を、事実としてつくりかえて、国内外に慰安婦像を次々と建てているのは、その典型的な例である。

 過酷な歴史ゆえの自分本位

 韓国では嘘と真実のあいだに、境がない。

 慰安婦(いあんふ)は日本語だが、戦後独立した韓国の国軍は、旧日本軍の将校経験者が中心となったので、日本軍の多くの制度に倣った、慰安婦を「ウイアンプ」と、朝鮮語読みにして引き継いたために、韓国軍に慰安婦が存在した。

 駐留米軍にも、慰安婦(ウイアンプ)を提供していた。(もっとも「性奴隷」は、日本の偏向左翼の造語で、「セックス・スレイブ」として、世界を風靡している。)

 今年から韓国では、政府が8月14日を『ウィアンプ・ギリムウィ・ナル』(慰安婦を称える日)として制定したが、世界史で売春婦(メチュンプ)を賛美する唯一つの国となった。じつに、個性的な民族だとしかいえない。

 8月が巡ってくると、日本ではテレビが定番のように、先の大戦と、広島、長崎への原爆投下を回想する番組で埋まるが、韓国では日本軍によって虐待された慰安婦を取りあげた番組が、放映される。今年も、文在寅(ムンジェイン)大統領と金正淑(キムジョンスク)大統領夫人が、高齢の慰安婦を見舞った。

 韓国人には、愛国心がない。日本は1億2000万人が同質だと思い込んでいる、世界できわめて珍しい国民だ。ところが、韓国人は家族の結束と家族愛が、日本よりはるかに強いものの、国民として一体感が欠けている。

 韓国人は富裕層から極貧層まで自分本位だから、韓国を捨てて、自由で豊かな海外に移住することが、全員の夢(クム)となっている。もっとも、李朝のもとで500年にわたった朝鮮王朝(1392年〜1910年)が、あまりにも苛酷な時代だったから、自分本位にならざるをえなかった。

 分断国家と反日感情

 日本神話が一つしかないのと較べて、韓国には朝鮮北部の檀君(タンクン)神話をはじめ、高句麗(コクリヨ)、百済(ペクチュ)、新羅(シルラ)、伽那(カヤ)それぞれにその国がどのようにして産まれたのか、異った始祖神話が存在する。

 檀君神話は、天帝桓因(ファニン)の子の桓雄(ファヌン)が地上に天降って、雌熊(クンニヨ)と結婚して生まれた檀君が、檀君朝鮮として知られる古朝鮮を建国して、王となったというものだ。ところが、高句麗、百済、新羅と伽那の神話は、それぞれ物語が大きく違っているものの、すべて卵から生まれたという、卵生神話である。

 天帝の子の恒因が天上から天降ったというのは、日本神話に似ているが、なぜか、卵から生まれたという4つの国の神話は、日本神話と共通するところが、まったくない。

 韓国は古い歴史があるといって誇るが、しばしば王朝が交替したから、そのつど歴史が断絶されてしまった。

 中国の歴史も、習近平国家主席が「偉大な5000年の中華文明」を自慢しても、王朝が頻繁に代わるたびに、歴史が大きく書き改められたから、ズタズタの歴史であって、韓国の歴史に一貫性がないのと、同じことだ。

 韓国では、新しい王朝が支配者となるたびに、かならずその前の王朝の業績を、頭から否定した。高麗朝(コリヨジョ)の将軍だった李成桂(イソンゲ)が、1388年に反乱して高麗朝を倒し、朝鮮王朝(チョソンワンジョ)として知られる李朝を樹てると、高麗朝の国教だった仏教(プルギヨ)を禁じて、儒教(ユギョ)を国教とした。

 李朝のもとで、仏寺はみな山の奥深く逃げ込み、僧侶は強制労働に服する奴婢(ヌビ)の身分に落された。今日、韓国の骨董屋にゆくと、五体満足な仏像が、一つもない。日韓併合後、日本が仏教を復活させることによって、仏寺が平地に戻ることができた。

 アメリカの占領下で、1948年に韓国が独立を回復すると、その前の日韓併合時代が完全に否定されるようになったが、国家をあげての「反日(パンイル)」は、何のことない、韓国の歴史で繰り返されてきただけのことだ。

 それに韓国は、李朝が終わるまで国民を苛め抜いて、支配階級が富を収奪する、苛斂誅求(ガリヨムジュグ)の酷(むご)い歴史しかないので、誇れることがないために、「反日」が愛国心の源(みなもと)となった。

 産経新聞のソウル駐在客員論説委員として、韓国における生活が長く、私と同じ親韓派の黒田勝弘氏が、韓国の「反日」について、「韓国民の反日感情というのは、日本による朝鮮半島支配が終わった後、日本においては戦後、彼らにおいては、いわゆる解放後に形成されたものである」(『それでも私はあきらめない』あとがき、黒田福美著、WAC株式会社)と、断じている。

 日本の朝日新聞社をはじめとする、偏向左翼による自虐的な「反日」も、敗戦後に形成されたものだから、韓国を笑うことができない。

 私が長年にわたって、親しくしている韓国のS元新聞論説委員は、「いまの韓国の“反日”は、日本が戦争に負けたのがいけないのですよ」といって、嘆いてくれる。

 私は日韓基本条約によって、日韓国交平常化が行われた前年の1964年に、時事通信社特派員の肩書を貰って、韓国に短期滞在したが、ポージャンマチャ(屋台)を訪れても、深夜、ソウルへ戻るバスに乗っても、日本人だとわかると、人々から握手攻めになった。

 屋台では人々が懐しがって、つぎつぎとマッコリ(どぶろく)を奢(おご)ってくれ、満員のバスでは、全員が日本の歌を合唱してくれた。

 私は27歳だったが、当時の韓国の代表的な企業の経営者が、若い私を上座にすわらせて、妓生(キーセン)を侍らせた宴席を設けてくれた。

 日韓併合時代が遠ざかって、日本時代を体験した人々が減るにしたがって、「反日」が暴走して、喜劇的なものとなっている。

 事大主義を生んだ儒教の受容

 韓国では前政権の大統領が、かならずといってよいほど逮捕され、投獄されるが、前政権を否定することが、慣(なら)わしとなっている。前政権の幹部が記念植樹した木があれば、引き抜いてしまうことが、珍しくない。

 韓国民の思考様式を解明する、もう一つの鍵は、「サデチュイ」である。漢字で「事大主義」と書く。日本では「事大(じだい)」という言葉が使われることがないから、馴染(なじ)みがないが、漢和辞典で「事」をひくと、「仕える」という意味がでてくる。「事大(サデ)」は、力の強い者に仕えることだ。

 韓国は歴史を通じて、中国からしばしば侵略を蒙ったために、中国に臣従して、中国の属国となった。

 韓国の歴代の国王は、中国によって册封(任命)される地方長官のようなものだったから、皇帝のみに許される「陛下(ペーハ)」とい敬稱を用いることができず、「国王(ククウォン)殿下(チョンハ)」と呼ばれた。

 歴代の韓国の王朝は、ひたすら中国に仕えることによって、生き伸びてきた。中国に追従(ついしよう)して、諂(へつら)うあまり、自立心も何も捨てて、儒教から科挙制度まで、すべて中国を真似して、中国の「大中華(デチュンファ)」に対して「小中華(ソチュンファ)」と稱して、悦に浸るようになった。

 ヨーロッパに、「ロシアの隣国となるほど、不幸なことはない」という諺(ことわざ)があるが、中国の隣国となるほど、不運なことはない。

 今でも韓国では「大国(デグク)」といったら、中国一国だけを指す言葉となっている。アメリカも、ロシアも、「大国」とはいわない。

 それでいながら、韓国人は中国に対して屈折した感情をいだいており、中国人が不潔だといって、昔から「テンノム」(垢野郎)といって、軽蔑してきた。今日でも「テンノム」といったら、中国人の蔑稱となっている。

 もう一つの韓国人の思考様式を解く鍵は、韓国人全員が英語でいうが、「ウインナー・テイクス・オール」(勝った者が、すべてを一人占めにする)のだ。日本のような“和の社会”ではなく、常時、熾烈な競争を強いられている社会なのだ。

 そこで、子どもを学校に送り出す時には、日本であれば「みんなと仲良くしなさい」というが、韓国では「チヂマ!」(負けるな)、「イルテンイ・テウォラ!」(一番になれ)「イルテンヘラ!」(同)といって励ますというより、脅(おど)かす。

 このために、韓国では少数の財閥(チェボル)と呼ばれる大企業が、経済の3分の2以上を独占して、中小企業が育つことがない。

 韓国の悲劇は、韓国社会が小型の中国となってしまったことだ。

 中国人も苛酷な歴史のなかで生きてきたから、不正を不正と思わない。自己本位で、自分を守るために、いくらでも嘘をつく。畏友の宮崎正弘氏が、「中国人は息を吐くたびに、嘘をつく」と述べているが、嘘が呼吸と同じ生きる術となっている。

 中国の儒教は支配階級が、美辞を並べて人民を支配するためのハウツウの統治思想であるが、日本に伝わると、精神修養哲学につくりかえられて、今日に至っている。ところが、韓国では中国の儒教をそのまま取り入れたために、中国産の猛毒によって冒された。

 『論語』には、孔子の言葉として、「身内の不祥事を、外に洩してはならない」という、日本人なら目を剥(む)く教えがある。

 日本は“和の社会”であるから、心は相手が誰であれ、配るものとされているが、中国、韓国では、家族と一族のあいだに限られる。そのかわりに言葉が、主役の座についている。

 韓国では朝鮮王朝を通じて、儒教の朱子学の取るに足りない、些細な解釈をめぐって、国王を取り巻く両班(ヤンバン)たちが党派を組んで、凄惨な生命の遣(や)り取りを、繰り返した。

 言葉はもっぱら自己主張と、弁解に使われるために、日本では古代から言葉を多用して、「言挙(ことあ)げ」することを戒しめてきた。日本の歴史を通じて信仰されている神道では、言葉に「言霊(ことだま)」という霊力が籠っていると信じられたので、よい言葉だけを発することを求めてきた。

 言葉と現実は、2つの異っているものである。日本人は、言葉のうえに成り立っている論理が万能な、中国、韓国と違って、言葉を乱用することを嫌って、感性による美と心を尺度としてきた。

 そこで、中国と韓国では、贋物の論理をつくっては、振りまわす。心は分かち合えるが、論理は対立を招く。日本社会の“和”は、理屈を嫌っているうえに、成り立っている。

 これからの日韓関係と日本人の行方

 日韓関係は、どうあるべきなのだろうか?

 いま、日本では「嫌韓」という言葉が、流行っている。韓国の理不尽な行いに対して、日本国民が憤っているのは、よく理解することができる。

 韓国は事大主義(サデチュイ)の国だから、強い者に媚び、自分よりも弱い者に対して、居丈高に振舞う。 
 
 ところが、日本が韓国に対して毅然たる態度をとるべきところを、河野洋平官房長官(当時)が、日本人らしい善意からだろうが、慰安婦について謝罪したり、韓国に対して卑屈な姿勢をしばしばとってきたために、侮(あなど)りを招くことになった。これは、日本の責任だ。

 私は「嫌韓」というよりは、読者に韓国を哀れむ、「憐韓(れんかん)論」を勧めたい。“悪の文明”である中国に臣従することを強いられたうえに、中国を模倣した苛斂誅求(かれんちゅうきゅう)の政治が行われたために、韓国の国民性が大きく歪められてしまった。気の毒な国民なのだ。

 韓国人にはよいところが、多くある。私たちは韓国を善導することに、努めるべきである。韓国政府があれだけ反日教育を行っているのに、日本を訪れる韓国観光客にレピーターが多いのは、本音では日本を好きなのだ。

 韓国のテレビでは、いまでも日本のドラマを、日本語で放映することが禁じられ、日本の演歌を日本語で流すことができない。韓国民が日本を好きになってしまうからである。

 だが、いったい私たちに「憐韓」だ、「嫌韓」だといって、韓国を見下ろして、嘲笑する資格があるだろうか。

 あと8ヶ月あまりで元号が改まって、戦後3回目の御代になるというのに、私たちはいまだに自立する精神を、まったく欠いている。

 北朝鮮からのミサイル攻撃だけではなく、中国が尖閣諸島、沖縄を奪いにきても、アメリカに縋るほかないでいる。事大主義ではないか。 


  日本を守るD 憲法改正で9条に自衛隊保有を明記せよ
    Date : 2018/08/23 (Thu)
 8月に防衛省が28年ぶりに、自衛官の採用年齢の上限を、今年10月から6歳引き上げて、32歳にすることを発表した。

 少子化によって、応募者が減少しているからだというが、いま、はじまったことではない。陸上自衛隊の定員が15万人と定められているのに、2万人が欠員となっていて、13万人しかいない。

 少子化のために、全国で定員に届かない大学が多いが、このような大学の学生の質は当然低い。自衛隊員のなかには、国際的な水準からみて、優秀な隊員が少なくないといっても、定員を満たすことができないために、全体の質と士気が低い。

 海上自衛隊も定員に満たないために、護衛艦が定員に満たない人数で、出航している。

 東日本大震災では、予備自衛官に招集をかけたが、1パーセント以下しか、招集に応じなかった。即応予備自衛官も招集に応じた者は、半分以下だった。

 そのうえ、若者が自衛隊に応募しないために、自衛隊は世界のなかで、もっとも高齢化した軍隊となっている。旧軍では陸軍の中隊長は20代だったのに、陸上自衛隊では40代末か、50歳が珍しくない。自衛隊は世界一の“おじん隊”となっている。

 予算がないので、必要な装備も不足している。北朝鮮のミサイルに対して、全国にPAC3ミサイル迎撃ミサイルが17ユニット(部隊)配備されているが、半径25キロあまりを守ることができる。

 東京には防衛省構内に1ユニットが展開していたが、米朝首脳会談の結果、北朝鮮の脅威が遠ざかったと判断して、撤収された。PAC3は飛来するミサイルに対して、2発の迎撃ミサイルを発射して、空中で破壊する。

 PAC3は1ユニット当たり、16発のミサイルを持つことが定められているものの、防衛省にあったユニットは、予算が不足しているために、8発しかなかった。1発が4億円するが、全国のユニットのなかには、2発しか持ってない部隊もある。

 これも、憲法に自衛隊の存在が書かれていないからだ。

 国民が国防意識を回復するために、大至急、憲法第9条に自衛隊を保有することを、書き加えなければならない。これは全面的な改定ではないから、「憲法改正」というより、「憲法修正」と呼ぶべきだ。

 平成があと8ヶ月あまりで終わるが、私は平成を憲法修正が果たせなかったことによって、記憶したい。


  日本を守るC トランプには緻密な頭脳と胆力あり
    Date : 2018/08/21 (Tue)
 “トランプ旋風”という、異常気象が吹き荒れて、全世界を翻弄している。

 トランプ大統領は、いっきょに、中国、イランの経済を締めあげる、勝負に出た。中国、北朝鮮、イランは秘策を練っているにちがいない。

 日本の頭上に重くのしかかる暗雲は、少しも晴れていない。

 いったい、日本にこの荒波に耐える秘策が、あるのだろうか。それとも、国民はこれまでの行きかたを改めずに、ひたすら平和を念じていさえすればよいと、信じているのだろうか。

 トランプ大統領のやり口は、この人の育ちによって、説明される。

 父親がニューヨークの成功した不動産業者だったから、青少年時代から地元のマフィア(暴力団)と交際があった。トランプ青年はハーバード大学のビズネス・スクールより格が高い、フィラデルフィアの名門校ペンシルバニア大学大学院のワートン・スクールで、MBA(経営学修士号)を取得したから、緻密な頭脳の持ち主だ。

 私はフィラデルフィア大学に、講師として招かれたことがある。

 トランプ大統領は、ただのボンボンのセレブではない。マフィアと付き合ったことから、肚にドスを呑んで、微笑を浮べておだてながら、相手を脅すことを身につけている。

 欧米のマスコミは、トランプ大統領が奇矯、衝動的で、国際秩序を破壊しているといって、足蹴にするのに熱中して、快感に浸っている。だが、中国を甘やかしてきたことが、中国を増長させ、イランに対して手を抜いていたことが、中東を危ふくしてきた。

 欧米の“ぶりっ子”の大手マスコミも、良識ぶって、ことなかれ主義なのだ。

 しかし、トランプ大統領をいくら罵ってみても、米国民のあいだで、トランプ大統領の人気は高い。トランプ大統領の世論調査の支持率が41%にあがって、米国のどの政治家よりも高いし、米国の景気は“規制マニア”だったオバマ大統領が行った規制を、次々と撤廃したために、上向く一方だ。

 11月の中間選挙は、州による候補者の人本位だから、共和党が下院で僅差で敗れるかもしれないが、いまのところ、次の大統領選挙におけるトランプ優位は、揺るぎがない。

 対する民主党は、政策を打ち出す能力がなく、トランプ大統領をけなすことだけに、血道をあげている。どこかの国のようではないか。


  『大西瀧治郎中将を偲ぶ会』御案内
    Date : 2018/08/20 (Mon)
『大西瀧治郎中将を偲ぶ会』御案内

 先の大戦の終戦から73年目の夏が巡ってきましたが、お元気でご活躍のことと存じます。

 戦後の日本の平和と繁栄は、先の大戦で祖国を守るために散華された英霊の御加護によるもので、国民として日々感謝の誠を捧げねばなりません。

 日本は矢折れ弾盡きて、大戦を終えることを強いられましたが、祖国の弥栄のために、空に海に陸に殉じた勇士たちの尊い犠牲によって、連合国に対して名誉ある条件付降伏を行うことができました。

 これは、日本がよく戦い、とくに特攻機による航空特攻、人間魚雷・回天による海上特攻作戦などが大きな戦果を収め、連合国の心肝を寒からしめたためでありました。

 至純な愛国心を発露した特攻隊による貢献は、私たちの大きな誇りとして、今後、長く語り継がれてゆかねばなりません。

 大西瀧治郎中将が、特攻作戦の生みの親であられますが、終戦の翌日の8月16日に、特攻隊員のあとを追って、介錯を頼むことなく、壮烈な自刃を遂げております。

 大西中将の霊を慰め顕彰するために、『大西中将を偲ぶ会』を、ミズリー号における降伏調印式典の翌日に当たる9月3日に、催すこととなりました。

 お忙しいなかとは存じますが、御参加いただきたく、ご案内申し上げます。                        
       
 発起人 加瀬英明、藤井厳喜、茂木弘道、岡野俊昭、片岡都美、大高未貴、葛城奈海、ケント・ギルバート、ヘンリー・ストークス
                                   記

日時  平成30年9月3日(月) 12時〜16時
場所  昇殿参拝 靖国神社参集殿 11時45分集合
    偲ぶ会  靖国会館2階 偕行の間 13時開演司会   女優・キャスター 葛城奈海(産経新聞にコラム連載)
次第  講話 外交評論家 加瀬英明(偲ぶ会実行委員会代表)、大西中将を偲ぶ動画(製作 東映)、スピーチ(登壇予定者)、特攻隊戦没者慰霊顕彰会会長 藤田幸生(元海幕長)、鶴田浩二御令嬢さやか様、中村珠緒様他、特攻隊員を演じる東映の若手俳優による歌
参加費 4000円(直会費用含む)、別途玉串料1000円
主催 大西瀧治郎中将を偲ぶ会 実行委員会
後援 二宮報徳学園(理事長 藤田裕行)/「空の神兵」顕彰会(会長 奥本康大)/二宮報徳会(会長 工藤明彦)/新しい歴史教科書をつくる会(会長 高池勝彦)/英霊の名誉を守り顕彰する会 (会長 佐藤和夫)/一般社団法人 美し国
(代表 菅家一比古)/史実を世界に発信する会(会長 加瀬英明 会長代行 茂木弘道)/ 手本は二宮金次郎の会(会長 原口美穂)/二宮尊徳を伝える大和の和の会(会長 飯本和美)/ 世界に二宮金次郎を広める会(会長 田口鉄之)


付記 日本は『ポツダム宣言』を受諾して降伏しましたが、同宣言は「われらの条件は次の如し」と述べたうえで、「日本国軍隊の無条件降伏のみ」を要求しており、今日、マスコミや、学校教科書が「無条件降伏した」と述べているのは、歴史の重大な改竄です。


  日本を守るB あえぐロウハニ体制
    Date : 2018/08/20 (Mon)
 8月に入って、イランのロウハニ大統領がホルムズ海峡を封鎖するといって、トランプ大統領を威嚇した。

 トランプ大統領は「そうしたら、イランは壊滅的な打撃を蒙る」と、応じた。

 日本は、ペルシア湾と紅海に挟まれたアラビア半島に、石油・天然ガスの80%以上を依存している。まさに、日本の生命(いのち)綱だ。日本はペルシア湾の玄関口のホルムズ海峡と、紅海の出入り口のバブ・アル・マンダブ海峡を封鎖されたら、水を抜かれた池の鯉のように、干上がってしまう。

 5月に、米国がオバマ前政権が行ったイラン核合意から脱退するという、“トランプ砲”が炸裂すると、米欧のマスコミは「トランプの暴挙」だと、いっせいに非難を浴びせた。

 トランプ政権はイラン核合意を反故(ほご)にして、イランに対する国際的な経済制裁が復活したために、イラン国内で暴動が続いて、ロウハニ体制が喘ぐようになっている。

 トランプ大統領はイスラム二大宗派の一つのシーア派の総本山のイランが、かねてからシーア派武装勢力を支援して、米国と結んでいるサウジアラビアなどのスンニー派諸国や、イスラエルを脅かしてきたために、中東を不安定化している胴元のイランを、締めあげる賭けに出た。

 イランは、サウジアラビアに隣接するイエメンの反乱勢力のフーシ派を操っている。7月末にサウジアラビアは、フーシ派が同国のタンカー3隻を攻撃したために、フーシ派への武器援助が通過するバブ・アル・マンダブ海峡を、一時、封鎖した。世界の石油の3分の1が、この海峡を通じて運ばれている。

 トランプ大統領は、レーガン大統領(在任1981年〜89年)を彷彿(ほうふつ)させる。レーガン大統領といえば、ブレジネフ書記長のソ連に大規模な軍拡競争による喧嘩を吹っかけ、ソ連は軍事費の重荷に耐えられず、経済が破綻したために、1991年に崩壊してしまった。

 中国とイランは、ともに脆い経済の足の上に立っている。トランプによって、中国とイランが調教されるだろうか。

 トランプ大統領が、7月にロシアのプチン大統領と会談して擦り寄ったために、米欧のマスコミに嘲笑されたが、中国とイランを孤立化させるのに、ロシアの協力が必要だった。

 世界が激動している。日本に備えがあるのだろうか。


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