加瀬英明のコラム
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  日本を守るD〜防衛費増額の国会審議を〜
    Date : 2017/04/24 (Mon)
 北朝鮮は4月16日、ピョンヤンで大規模な軍事パレードを行った翌日の早朝に、日本海沿岸からミサイルを試射したが、失敗した。米韓軍合同司令部によれば、中距離弾道ミサイル(IRBM)だった。

 トランプ大統領は米国まで届くICBMを試射する確証をえたら、先制攻撃を加えると警告している。「アメリカ・ファースト」――「アメリカン・セイフティ(米国の安全)ファースト」なのだ。

 日本が頭から火の粉をかぶることになるが、トランプ政権は、剣道でいえば「肉を斬らせて、骨を斬る」ことになる。肉は日本だ。

 私たちの眼のすぐ前で、朝鮮半島に点火する導火線が、火花を散らして燃えている。

 いつ、朝鮮半島に火の手があがることになるのだろうか。

 私はまだ1年あまりは、時間的な余裕があると思う。あるいは、2年あるだろうか。

 米国は中国という龍に北朝鮮に強い圧力を加える芸を、教え込もうとしている。中国が鍵を握っている。だが、中国はホワイトハウスの庭に飼われる、ポチ龍にはなりたくない。

 中国の習近平主席は「偉大な5000年の中華文明の復興」、英訳すれば「メイク・チャイナ・グレイト・アゲイン」と叫んで、中国国民の人気を博してきたのに、北朝鮮のおかげで米国に対して威張れなくなった。

 といって、米国のいうままになって、北朝鮮に核開発を放棄するように、真剣になって迫ることはしまい。

 北朝鮮が核やミサイル開発を、投げ棄てることはありえない。核やミサイル実験を行わなくても、核武装国家のイスラエルの例のように、性能を高めることができる。

 このまま進んでゆけば、米国はいずれ北朝鮮を、攻撃することとなろう。

 国会は与野党が一致して、ミサイル迎撃システムを強化し、北朝鮮のミサイル基地を攻撃する能力を保有するために、防衛費を画期的に増額することを、集中審議すべきだ。

 中国にとって、米国が好戦的な暴力国家としてイメージを大きく損ね、日本がミサイルを浴びて傷つくほど、美味しいことはない。

 72年前に、朝日新聞と狂気に取り憑かれた軍人たちが、日本精神さえあれば「神州不滅」だと叫んで、「一億総特攻」をあおった。

 護憲派が「平和憲法」さえあれば、「日本は不滅」だと説いているが、72年前に「一億玉砕」の道を突き進んでいた、恐ろしい亡霊が全国をさまよっているとしか思えない。

 祈りや精神力だけでは、日本を守れない。


  日本を守るC〜岸田外相「万全の態勢」は本当か〜
    Date : 2017/04/24 (Mon)
 4月15日は、金王朝の創始者の金日成主席の生誕105周年を祝う、「太陽節」(テャンチョル)だった。朝鮮民主主義人民共和国の最大の祝日だ。

 ピョンヤンの大広場で、新型のミサイルが次々と登場し、“虎の子”の部隊が行進する盛大な式典が挙行された。
雛壇から朝鮮労働党副委員長が、「核戦争には、核攻撃で応える!」と、叫んだ。

 大型のミサイルが登場すると、世界でもっとも若い、33歳の最高指導者である金正恩朝鮮労働党委員長が、お気に入りのオモチャ箱の兵隊を見るように、笑顔となった。

 この夕方、岸田文雄外相が記者団に、「いかなる事態にも対応できるように、万全の態勢を整えている」と、語った。

 トランプ大統領は北朝鮮が核実験の準備に取り組むか、アメリカまで届くICBM(大陸間弾道弾)の試射をはかる場合に、先制攻撃を加えると、繰り返し警告している。

 米国が北朝鮮の核施設とミサイル基地を摘出する、限定的なサージカル・ストライク(外科的攻撃)を加えたら、北朝鮮は体制の威信を賭けて、南北軍事境界線(DMZ)から45キロしか離れていないソウルを砲撃を開始し、日本へ向けてミサイルを発射することになる。

 韓国にある多数の原発が被弾したら、偏西風に乗って、日本全国が放射能によって覆われる。

 1950年から3年にわたった朝鮮戦争の再演には、ならない。北朝鮮は全面戦争を戦ったら国家的自殺になるから、開戦5、6日以内に国際世論を背景にして、国連、中国、ロシアが間に入って、停戦が成立することを見込もう。

 北朝鮮が日本へ多数のミサイルを、同時に撃ってきたら、日本は迎撃して全て破壊する能力がないから、ひたすら耐えるほかない。

 ブッシュ(父)大統領の時、1991年にフセイン大統領のイラクがクエートを侵略すると、中東戦争が起った。イラク軍をクエートから駆逐したところで終わったが、このあいだにイスラエルが、イラクから38発のミサイル攻撃を蒙った。

 イスラエルはハイテク先端国家で、いまでも「アイアン・ドーム」(鋼〈はがね〉の天井)と呼ばれるミサイル迎撃システムを持っているが、空中で全てを破壊することができなかったから、多くの市民が犠牲となった。

 岸田外相が「万全の態勢を備えている」と述べたが、前大戦で米国が日本全土を空襲する前に、軍部が「来るなら来い! 我に鉄壁の備えあり」と、豪語したのと変わらない。


  日本を守るB〜属国憲法では国民の生命は守れない〜
    Date : 2017/04/21 (Fri)
 4月15日に米大手テレビが、「トランプ政権が北朝鮮が核実験を行う確証をえたら、先制攻撃を加えることを決定した」と、報じた。

 北朝鮮は「最高指導部が判断した時に、いつでも核実験を実施する」「米国の先制攻撃に手をこまねず、粉砕する」と反発した。

 朝鮮半島は一触即発だ。トランプ大統領と、金正恩朝鮮労働党委員長の予測不能の2人が、朝鮮半島と日本に戦火を招こうとしている。

 3月6日に戻ろう。北朝鮮はミサイル4発を、日本を威嚇するために日本の沖合へ向けて発射した。そのうち3発を、秋田県のすぐ沖合に撃ち込むことに、成功した。

 そのうえ、念を押すように、7日後にマレーシア空港で、金委員長の異母兄の金正男氏を猛毒神経ガスのVXを使って、暗殺した。他の毒物もあるのにX]を用いたのは、大量のVXを貯蔵していることを、誇示したのだ。

 北朝鮮はかねてから米国と交渉して、北朝鮮を核保有国として認めさせたうえで、米朝国交を結び、金王朝体制の存続を保障することを狙ってきた。それに対して、米国が核開発を放棄しないかぎり話し合わないと、頑なな態度をとってきたので、日本を脅して、米国に無条件で交渉に応じるように哀訴させることを、目論んだものだった。

 ところが、3月6、13日以後も、日本の国会は朝鮮半島の危機が刻々と募っていったのをわきに、与野党ともに属国根性を丸出しにして、何が起こっても米国に任せておけばよいと、4月に入ってからも、わずらわされることなく、おもしろおかしく森友学園問題に没頭していた。

 金正恩委員長は最高幹部一同を前にして、「ソルマ(まさか!)」「イルボヌン(日本は)チョンヒョジュクゥムウル・ドゥリョウォハジアンコナ(よほどの生命知らずか)コプチェンイイゴナ・ドゥルジュンエハナダ(腑抜けのどちらかにちがいない)!」と、叫んだにちがいない。

 5月3日には、日本国憲法が70周年を迎える。米国が70年前に日本を属国とすることをはかって、押し付けたものだ。

 私は「平和“無抵抗”憲法」と、呼んでいる。おそらく護憲派が全国にわたって、属国憲法の記念日を祝う集会を催すことになるだろう。

 属国根性で国民の生命を守ることは、できない。私は日本国憲法や、森友学園の籠池夫妻と心中したくない。


  日本を守るA〜半島危機 北は何を求めているのか〜
    Date : 2017/04/20 (Thu)
 朝鮮半島で戦争が始まる可能性が、高まった。日本は戦後で最大の窮地に、立たされるようになっている。

 トランプ大統領は、オバマ政権が中国という暴れ龍を仕付けることを怠り、北朝鮮の核・ミサイル開発を放置していたツケを、支払うことを強いられている。

 私はトランプが大統領選に勝ったのを、手放しで喜んだ。もし、ヒラリーが勝ったら、オバマ政権の8年間の対外政策の無策が続くことになって、世界がいっそう安定を失うことになったろう。

 私はトランプと「オポチュニティ」(機会)を合成して「トランポチュニティ」(Trumpportunity)と呼んだが、トランプが予測不能だから期待した。それに選挙中、事務所にレーガン大統領とジョン・ウェインの等身大の写真を飾って、「メイク・アメリカ・グレイト・アゲイン」と叫んでいたが、「メイク・アメリカ・タフ・アゲイン」と聞こえた。

 トランプ大統領は、北朝鮮がアメリカまで届く核ミサイルを完成することを、「絶対に許さない」と、いっている。北朝鮮が6回目の核実験を強行する場合には、核施設や、ミサイル基地を攻撃するか、中国に北朝鮮への石油の供給を、完全に停めることを求めよう。

 いったい、北朝鮮は何を求めているのだろうか?

 北朝鮮は何よりもアメリカと交渉して、アメリカが北朝鮮を核保有国として認めたうえで、米朝間に国交関係を結ぶことによって、金王朝の存続を保証することを強く望んでいる。

 ところが、ティラーソン国務長官は米中首脳会談が終わってから、「北朝鮮が核開発を放棄しないかぎり、話し合いに応じない」と、言明した。

 3月6日に、北朝鮮が4発のミサイルを発射して、3発が秋田県沖合に弾着した。その直後に、北朝鮮は「在日米軍基地を狙った演習だった」と声明した。日本の沖合に4発とも落すつもりだったが、1発が外れたにちがいない。

 4発のミサイル発射は、北朝鮮のアメリカへの熱烈な“ラブコール”だった。

 7日後にマレーシア空港で、異母兄の金正男氏を、VXガスを用いて暗殺した。なぜ、他の毒物を使わなかったのか。VXガスを大量に貯蔵していることを、示したかったのだ。

 おそらく、安倍首相がアメリカの袖に縋って、北朝鮮と話し合うように哀願することを、期待したにちがいない。


  日本を守る@〜鷲と龍の動向〜
    Date : 2017/04/20 (Thu)
 アメリカ鷲と中国龍が、4月6、7日に、フロリダのトランプ別荘で対決した。

 核の牙を磨ぐ北朝鮮と、翌月の3日に平和憲法70周年記念日を迎える日本と、その6日後に親北か、親米か選ぶ大統領選挙が迫る韓国が脇役として、舞台裏に控えていた。

 初日の午後8時40分(フロリダ時間)に、地中海に浮ぶアメリカの駆逐艦から、ミサイルがシリア空軍基地に撃ち込まれた。

 フロリダでは、トランプ大統領と習近平主席がシャンペンソース添えシタビラメと、ニューヨークカットのステーキを頬張って、デザートが配られているところだった。トランプ大統領が習主席に、シリアへミサイル攻撃を加えたと告げて、支持するように求めた。

 習主席はその時、一瞬、呆然としたが、「多くの赤ん坊が殺されたから、仕方がない」と力なく、つぶやいた。習主席に随行した幹部のうち何人か、唖然としたにちがいない。

 この数時間後に、ロシアがアメリカのシリアに対するミサイル攻撃は侵略行為だと、激しく非難した。

 中国は2ヶ月前に国連安保理事会で、シリアのアサド政権が2013年から市民に対して、化学兵器を用いたという化学兵器禁止機関(OPCW)の調査結果にもとづいて、シリアへ制裁を加える決議案が提出されたのを、ロシアとともに拒否権を行使して、葬ったばかりだった。

 習主席は自分と、プチン大統領の顔に泥を塗ったのだった。

 習主席は年末の19回共産党大会で、中国13億人の「核心」である最高指導者として、もう1期5年選出されるために、アメリカとできるだけ波風をたてたくなかったから、トランプ大統領にとっさに媚びたのだった。

 トランプ大統領は習主席に北朝鮮の核ミサイル開発を阻むために、中国がよそ見をしないで、真剣に協力するように求めた。それでなければ、アメリカが「ゴー・イット・アローン」(単独で行動する)といって、凄んだ。北朝鮮に龍をけしかけたのだが、ここしばらくは中国の出方を見守ろう。

 もし、アメリカが北朝鮮に軍事攻撃を加えたら、韓国と日本が戦火に包まれる。

 アメリカは原子力空母『カール・ビンソン』を中核とする機動打撃群を、朝鮮近海へ急行させた。北朝鮮は怯んで、きっと予定していた6回目の核実験を、半年か、1年か、延期することになるだろう。だが、このままゆけば、朝鮮半島は遅かれ早かれ、爆発しよう。


  中国の野望を封じる強固な日米同盟
    Date : 2017/04/07 (Fri)
 トランプ政権が発足してから2か月余りが過ぎたが、まずは順調である。

 オバマ政権が中国という巨龍をしつけることを怠ったために、中国が我が物顔に振る舞って、太平洋諸国を脅かし、南シナ海に7つの人工島を造成したが、トランプ政権が強面(こわもて)をしているために、中国が尻込みして、守りの姿勢をとるようになった。

 メキシコとの壁は、クリントン政権のもとで建設がはじまって、オバマ政権が半分までつくっていた(なぜか、日本のマスコミはこの事実を報じない)が、トランプ大統領の過激な発言によって、メキシコから流入する不法移民の数が、激減している。

 アジアにおける最大の不安定要因は、中国と北朝鮮である。中国は太平洋の覇権を握ろうとして、南シナ海を埋め立てて、人工の要塞島をつくるかたわら、大海軍を建設に狂奔して、太平洋に“海の万里の長城”を築こうとしている。

 それに対して、トランプ政権は日米同盟を中核に据えて、アジア太平洋諸国とともに、中国の野望を閉じ込める“長城”をつくって、対抗しようとしている。

 トランプ政権が発足してから、アメリカの株式市場が活気づいている。

 泣きべそをかいているのは、政権を失った民主党だ。

 トランプ大統領は国内製造業の保護、工場労働者の職を守る、10年間で10兆ドルという壮大な投資を行うことによって、大規模なインフラ整備を進めることを約束して、本来なら民主党が行うべき政策を奪ってしまった。

 昨年の大統領選挙では、民主党の伝統的な地盤である労働者層(ブルーカラー)が、トランプ候補にこぞって投票した。民主党はこれまで巨大な労働組合組織によって、しっかりと支えられてきたのに、労働貴族となった組合幹部だけが、ヒラリー夫人を支持した。

 民主党は、新聞、テレビの大手マスコミ、有名大学の知識人、インテリ層などのエリートによって支えられてきたが、トランプ候補に喝采する、下積みの大衆の軍門に降った。

 民主党はトランプ大統領によって夢を奪われて、意気沮喪しているだけではなく、ヒラリー夫人のあとを継ぐ者が、1人もみあたらない。頭部を切り落されてしまった鶏のように、意味もなく走りまわっている。

 昨年の大統領選挙で負けたのは、ヒラリー夫人だけではなかった。“朝日新聞的良識”を代表するニューヨーク・タイムズ紙をはじめとする大新聞、知的体制(エスタブリシメント)の意見しか代弁しない大手テレビも、あげてヒラリー候補を応援したために惨敗した。

 トランプ大統領が大手マスコミを懲らしめるために、マスメディアとはっきりと敵対し、新聞にも、大手テレビにもよらず、ツイッターを使って見解を表明しているために、大手メディアは深い傷を負うようになっている。大手メディアの社員は、庶民よりもはるかに高い収入をえて、大衆を見下してきた。

 このために、国民の大手メディア離れが進んでいる。大手マスコミは二度と立ち上れないのではないか。

 アメリカの大手メディアが捲き返しをはかって、トランプ叩きに血道をあげている。日本の大手マスコミも、直感的に同病相憐れむことを覚って、ことあるごとにトランプ叩きに耽っている。

 トランプ大統領は安倍首相が2月に訪米すると、手厚くもてなした。メルケル首相、オランド大統領が精彩を失い、キャンベル首相が昨年失脚したあとで、安倍首相が世界で抜きん出た政治家となっている。それにアメリカがアジアで頼れる国は、日本しかない。

 日本の大手テレビが番組で、2月の日米首脳会談に当たって、「安倍首相が手玉に取られたのではないか」といったが、属国根性丸出しで、卑しいとしかいえない。

 もっと、日本に自信をもってほしい。


  現憲法は、日本古来の家族の美風を破壊している
    Date : 2017/04/04 (Tue)
 現行の日本国憲法は、読めば読むほど、おかしい。

 家族が社会と国家をつくっている、もっとも基本的な単位であることには、誰も異論がないと思う。

 「いや、そんなことありません。夫婦が社会のもっとも基本的な単位ですよ」と、誰かが反論したとすれば、読者は「夫婦のほうが家族よりも、大切なんですか?」といって、その人物を奇異な目で見るにちがいない。

 私たち日本人は2000年以上も、家族を何よりも大切にしてきた。夫婦は家族の一部だった。

 だが、日本国憲法では第24条が家族について、次のように規定している。この他に現行憲法に、家族を取りあげている条項はない。

 「第24条【家族生活における個人の尊厳と両性の平等】
 @婚姻は、両性の合意のみに基いて成立し、夫婦が同等の権利を有することを基本として、相互の協力により、維持されなければならない。

 A配偶者の選択、財産権、相続、住居の選定、離婚並びに婚姻及び家族に関するその他の事項に関しては、法律は、個人の尊厳と両性の本質的平等に立脚して、制定されなければならない。」

 この条項は、「家族生活における個人の尊厳と両性の平等」と、題されている。睦みあう家族のあいだで、「個人の尊厳」が求められるというのは、寒々しい。日本の家族の姿になじまない。

 「婚姻は、両性の合意のみに基いて成立」すると定めているが、親や兄弟の意見を求める必要がないと、説いている。「両性の合意のみに基いて」と述べているが、「両性の合意」のあとに「のみ」が入っているのは、祖父母、親兄弟が、孫、子、兄弟姉妹の婚姻について、干渉してはならないとしか読めない。

 この条項は、日本古来の伝統となってきた美風である家族制度を、破壊するものである。アメリカは日本兵が南や北の海の孤島において玉砕するまで、勇敢に戦ったのが、愛国心と家族愛から発していたことに震えあがって、日本人を家族から切り離して、個人主義を植えつけようとはかった。

 ドナルド・キーン博士は日本文学の優れた研究者、訳者として、文化勲章を受章しているが、日本に帰化した。私はアメリカに留学した時から、親しくさせてもらってきた。

 キーン博士は先の大戦中、語学将校として日本兵捕虜の訊問や、戦死者から日記などを回収して、情報蒐集にあたった。

 キーン博士は著書で、「ガダルカナルを餓島と呼んだ日本軍の兵士たちの耐えた困苦は、圧倒的な感動を呼び起した。アメリカ軍の兵士の手紙には何の理想もなく、ただ元の生活に戻りたいとだけ書かれていた」

「大義のために滅私奉公する日本人と、帰郷以外のことにはまったく関心を持たない大部分のアメリカ人。日本の兵に対しては賛嘆を禁じえなかった。そして結局、日本人こそ勝利に値するのではないかと信じるようになった」(『日本との出会い』学生社)と、述べている。

 Aでは、何とおぞましいことに、「離婚並びに婚姻」といって、離婚が結婚よりも先にでてくる。

 こんな憲法は一日も早く捨てよう。


  日本と中国はどう違うのか
    Date : 2017/03/31 (Fri)
 今年は明治元年から、150年目に当たる。明治維新は、“御一新”と呼ばれた。「維新」は中国の古典から借りてきた言葉だったが、もし大政維新が行われなかったとすれば、今日の日本がありえなかった。

 江戸が東京と改称されてからも、150年目に当たる。

 日本は国をあげて文明開化を進めることによって、西洋諸国に対抗することができた。

 だが、私たちの隣にある中国と朝鮮は、西洋の列強が海嘯(つなみ)のように押し寄せるなかで、近代化することができなかった。

 私は150年前を懐古するつもりはない。今日でも、日本、中国、韓国は変わっていないと思う。3つの国を2000年以上も前からつくってきた雛型から、少しも変わっていない。

 もっとも、韓国は中国の属国として“小中華(ソチュンファ)”と称して、中国を崇めた“ミニ中国”だったから、これ以上触れないことにする。

 中国が陸の文明であってきたのに対して、日本は海の国であってきた。

 私は父が転勤になったので、生後6ヶ月でイギリスへ渡った。3年後にヒトラーがポーランドに侵攻して戦争が始まったために、母とともに日本郵便の客船で東京へ戻った。

 毎日、煌(きらめ)く海を甲板から見ていたのを覚えている。帰国後、両親に連れられて、しばしば鎌倉の浜で遊んだ。山幸彦海幸彦伝説や、浦島太郎の物語を聞かされて育った。

 私たち日本人は、幼い頃から口遊(くちずさ)んだ「我は海の子白浪の 騒ぐ磯部の松原に」、「千里寄せくる海の気を 吸いて童(わらべ)になりにけり」(『われは海の子』)というように、海の子なのだ。

 中国と易姓革命

 中国は秦王朝(紀元前221年〜206年)によってはじめて統一されたが、その後、王朝が易姓革命によって、せわしく交替した。

 天帝が地上でもっとも徳が高い人物を、全世界を統治する天子――皇帝として選んだ。皇帝が徳を失うと、また地上で徳がもっとも高い者を選んで、王朝を交替させた。

 中国は中華と自称しているが、世界の中心だと信じてきた。ライオンが頂点にいて、最下位に鼡がいる、アリストテレスの動物界のピラミッドのように、中国が世界の頂点にあって、中国の支配を受け容れた属国――朝貢国が続き、最下部に蛮族――夷狄がいる華夷秩序として、知られるピラミッドがあった。

 中国は海に関心を持つことが、ほとんどなかった。海に背を向けた文明である。

 日本は古来、海の幸により形成されたと信じていた

 日本人は古代から、海から幸がもたらされると信じた。『古事記』『日本書紀』に常世の国が登場するが、海の彼方に理想郷があった。日本神話は日本人の世界観を表すものである。

 日本人にとって、海辺は神と人が接するところだった。今でも、渚(なぎさ)に打ち寄せる波は、常世の国とつながっている。恵比須(えびす)神は海神として親しまれてきたが、外来の神とか、渡来の神、漂着神、客神などと呼ばれた。
中国では「仙」という字が、人と山を組み合わせているように、山に仙境があると信じてきた。

 私は漢詩に親しんできたが、日本の多くの詩歌が『万葉集』をはじめとして、海を描いているのに対して、漢詩に海をうたったものがほとんどない。

 山水画は道教思想がもとになっているが、神仙山水画と呼ばれるように、山の風景が多い。中国人の精神を表している。

 中国の庭園は、道家の理想の人物である仙人が住むことから、奇怪な石灰石をあしらった仮山奇石の築山があるので、私たちになじめない。

 中国は華夷思想に取り憑かれているから、外界と対等な関係を結ぶことができないできた。このような傲りが、19世紀に西洋の脅威が迫ると、災いした。

 漢籍に夜郎自大という言葉がある。夜郎は南西夷の小国だったが、自らを強大だと思って、漢の使者を侮った故事を嘲ったものだ。清朝は圧倒的な力を持った西洋に遭遇した時に、まさに夜郎自大になった。

 日本は常世の国信仰を持ち続けたから、渡来の神や客神を歓迎して、拒むことがなかった。海は幸をもたらしてくれる。

 大陸の中原の文明と日本の島の文化

 中原の文明である中国が傲慢であるのと対照的に、日本は島の文化だから謙虚だ。

 私は十数年前に、南太平洋のフィジーに講師として招かれたが、フィジーにキリスト教が渡ってくると、在来の信仰と混淆するなど、日本によく似ているのに感心した。

 日本は大陸において唐の脅威がつのると、豪族が全国を治めていたのを、皇極天皇のもとで、645年に唐の中央集権制度を模倣して、大化の改新として知られる大改革を行った。明治元年に始まった御一新と、よく似ている。

 皇極天皇は女帝だったが、大化の改新に当たって、「独り治むるべからず。民の扶(たす)けを待つ」という詔を発している。日本の天皇は祭り主であって、中国の皇帝のような専制主ではなかった。元号が大陸に倣って、はじめてこの時に採用され、大化元年と定められた。

 平田篤胤(1776年〜1843年)といえば、江戸後期の国学者で、激しい排外主義者として知られる。

 平田でさえ、「外国(とつくに)々より万(よろ)ずの事物の我が大御国に参り来ることは、皇神(すめらみこと)たちの大御心にて、その御神徳の広大なる故に、善きも悪しきの選みなく(略)皇国に御引き寄せる趣を能(よ)く考え弁えて、外国より来る事物はよく選み採りて用つべきこと」(『静の岩戸』)と、説いている。

 私は今日の中国の指導部は、愚かだと思う。

 尖閣諸島をはじめ、フィリピン、ベトナム、マレーシアなどの小さな島々を「核心的利益」だといって、領有権を主張するのをやめるべきだ。大海軍の建設に狂奔するかたわら、南シナ海の7つの人工島を造成して軍事化することによって、孤立化を招いている。

 もし、そのようなことをせずに、巨大な経済力を用いて、日本をはじめとする太平洋諸国に気前よく投資し、大量の観光客を送り込んでいたとすれば、太平洋諸国は中国に魅せられて、いまごろ中国によって取り込まれていたはずだ。

 中国は陸の文明だから、海をまったく理解することができない。

 大陸国家が大海軍を建設して、成功した験しがない。16世紀のスペイン、ナポレオンのフランス、清の末期、20世紀のロシア、ドイツ帝国がその例である。

 習近平体制が南シナ海に造った人工島は面積を合計すると、東京の千代田区よりも大きいが、軍事的には役に立たない。航空母艦も、人工島も、京劇の舞台装置のようなものだ。

 吃、喝、嫖、賭、去聴戯

 中国人は昔から、「吃(チュ)」(食)「喝(フー)」(酒)「嫖(ピァオ)」(淫らな遊女)「賭(ドウ)」(博打)「去聴戯(チーティンシ)」(京劇)の5つを、生き甲斐にしているといわれてきた。

 京劇は清朝に発しているが、歴代の皇帝も、西大后も、毛沢東、周恩来、江青も、京劇の虜となっていた。江沢民主席は微醺をおびると、大声で京劇の歌曲を吟じることによって知られた。習近平主席にも去聴戯の血が流れているに、ちがいない。

 中国は3月に開幕した全国人民代表大会において、国防費を7%増やし、史上はじめて1兆元(約17兆円)を超すことを発表した。

 中国はこの大きな部分を、海軍力の拡張に投資しようが、清朝末期の北洋艦隊のようなものだから、役に立つまい。

 中国人は臆病な商人だから、全面戦争を戦うことはしない。

 だが、「5000年の偉大な中華文明の復興」を呼号して、国民の愛国心を煽ることによって、揺らぐ体制を維持しているから、日本から尖閣諸島を奪おうと試みる可能性がある。


  北朝鮮の脅威にどう対抗? 苦慮するトランプ政権
    Date : 2017/03/23 (Thu)
 北朝鮮が4発の弾道ミサイル弾を、日本海側の東倉生から発射して、3発が日本の経済水域に着弾した。

 北朝鮮が弾道ミサイルの試射を行ったのは、2月10日に日米首脳がフロリダで、会議を終えた直後以来だった。その時に、トランプ大統領は「北朝鮮の脅威への対処に、きわめて(ベリー・)高い優先順位を与えねばならない(ベリー・ハイ・プライオリテイ)」と、述べた。

 北朝鮮は今回のミサイル発射後に、「在日米軍を標的とした訓練」だったと、発表している。北朝鮮が同時に多数のミサイルを日本へ向けて発射した場合に、日本に迎撃して撃破する能力がない。

 トランプ政権にとって北朝鮮の脅威に対応することが、政権の信頼性がかかる噄緊の課題となっている。

 トランプ政権は北朝鮮の核施設を破壊する、外科的な軍事攻撃も辞さないという姿勢をとって、政権発足直後に日本の岩国にF35新鋭ステルス戦闘爆撃機を配備したが、どうするべきか苦慮している。

 トランプ政権はクリントン政権からオバマ政権にいたるまで、北朝鮮の核兵器開発を事実上放置してきたツケを、払わねばならない。

 どうするか? といって、北朝鮮の核施設を除去するために、限定的な攻撃を加えることはできまい。北朝鮮はソウルのすぐ北の軍事境界線に沿って砲列を敷いており、停戦までにソウルを火の海にすることができる。数十万人のソウル市民が死傷することがあれば、韓国はアメリカが戦争を挑発したといって、アメリカを恨もう。

 それに、トランプ政権は北朝鮮よりも、オバマ政権が深入りして、シリア、リビア、イエメン、ソマリアなど中東アフリカ諸国にアメリカ軍が介入してきたのを、引き揚げることを優先しているが、6ヶ月以上はかかろう。北朝鮮に限定的な攻撃を加えるとしても、朝鮮半島において全面戦争に発展する可能性を、想定しなければならない。現状では、アジアに十分な軍事力を割くことができない。

 だが、北朝鮮の金正恩委員長の危険な火遊びを、放置しておくことはできない。いくら北朝鮮の「暴挙」を非難して、経済制裁を強化しても、北朝鮮は核兵器なしに体制を守ることができないと確信しているから、核を捨てることはありえない。それに、中国が経済制裁の大きな抜け穴となっている。

 トランプ大統領は、6ヶ国協議や、オバマ政権が北朝鮮を「核保有国家」として認めないという愚かしい政策などに、まったく束縛される必要がない。

 そのようなしがらみがないから、北朝鮮の核弾頭や、ミサイルや、化学兵器について、北朝鮮と交渉することができる。トランプ大統領自身、選挙戦中に「金正恩委員長と会談してもよい」と、発言していた。

 私はアメリカが北朝鮮を核保有国として認め、核弾頭の数とミサイルの射程について制限を受け入れることと引き替えに、米朝平和条約を結ぶことを、主張してきた。金体制の至上の目的が、金体制の存続を保障することだから、喜んで交渉に応じよう。

 日本も北朝鮮と並行して交渉し、弾頭数と射程距離について合意すれば、日朝国交正常化を行い、1964年の日韓条約と見合った経済協力を、提供する。

 そうすれば、拉致被害者が全員帰国し、朝鮮半島に平和秩序が確立されることとなろう。


  トランプ政権のゆくえを読む 日本の最大の資源は「人」。なすべきことを着実に進めよ
    Date : 2017/03/22 (Wed)
 冷静な目で見るべきで言動に右往左往する必要なし

 トランプ大統領の一挙手一投足に世界中が翻弄されていますが、それほど過敏になる必要はないと私は考えています。

 そもそもオバマ前大統領の8年間は、少なくとも外交政策についてはひどいものでした。中国には南シナ海での実効支配を許してしまい、中東も混乱、ヨーロッパではウクライナもバルト3国(エストニア、ラトビア、リトアニア)も危険な状況になっています。もし、ヒラリー大統領が誕生していたとすれば、オバマ政権の第3期のような政権になっていたでしょうから、それよりはずっと良かったと私は考えています。

 まだ読めない部分もありますが、トランプ政権の経済政策では、長期的には円安傾向が続くと考えられます。大幅な法人税の減税、そして向こう10年間で1兆ドルの公共投資を行なうことを明言していますから、インフレ傾向が強まるでしょう。それを抑制しようとして金利が上昇し、その結果、ドル高円安が進み、長期的に見ればアメリカの輸出産業は伸び悩む可能性が高いと思われます。

 トランプ大統領は、国内雇用を増やすために、国外に工場移転する企業に対し重い国境税を課すと警告していますが、国内雇用、特に正社員が激減したのは、工場移転ではなく、AI(人工知能)のせいです。例えば、コンビニのATMがどれだけ多くの銀行員の職を奪ったことか。経営の合理化を進めるなかで起きたことですから、そこへの対応を考えないと根本的な解決にはなりません。

 また、トランプ大統領は、NAFTA(北米自由貿易協定)の再交渉を明言するなど輸入に高い関税をかける姿勢でいますが、そう簡単ではないと思います。かつて私は、福田赳夫内閣(在任期間1976年‐78年)で首相特別顧問という立場でカーター政権を相手に対米折衝を行ないました。アメリカ製のテレビが日本製のテレビに食われたため、日本製のテレビだけに高い関税を課しましたが、その分のマーケットシェアは韓国と台湾に奪われただけで、アメリカの国内状況は改善しなかったのです。つまり、特定の国を狙い撃ちにした関税はうまくいかないのです。

 アメリカの工業製品は、その部品の多くを輸入に頼っています。関税によって部品価格が高くなれば、結局はアメリカ国内で製造した製品も高くなります。つまり、今の世界で保護主義がうまく機能するとは思えないのです。

 世界恐慌が起き、ヒトラーという化け物が誕生し、第2次世界大戦が勃発した原因は、保護主義にありました。恐るべきことですが、今述べたような理由から、戦前のような保護主義にはならないと思っています。「グローバリズムの終わりの始まり」という人もいますが、輸入部品に頼らざるを得ない今の世界では、それは大げさです。トランプ大統領にもメンツがあるので今後、方針転換は難しいと思いますが、NAFTAにもてこずるでしょうし、TPP(環太平洋連携協定)からの離脱は結局損だということもいずれわかってくるでしょう。

 ですから、過度に恐れる必要はないのです。私たちはあまりにもトランプ政権の力を過大評価しているところがあります。冷静な目で見るべきで、その言動に右往左往しないほうがいいでしょう。

 学ぶことに謙虚で貪欲な日本人の遺伝子は今に通ず

 日本は長い目で見ると、経済的には強いと思います。なぜなら、政治的にも経済的にも社会的にも、世界で一番安定している国だからです。特に、中小企業がこんなに強い国は、日本の他にありません。

 日本の一番大きな資源は、「人」です。日本人のなかにある匠の心、和の心です。世界でも珍しいほど人の心を思いやる民族です。ものづくりにおいても、「人のことを思って作る」からこそ、いいものが作れるのです。

 それは近現代に始まったことではありません。縄文土器のデザインなどはどこにもないものですし、翡翠加工の技術をもっていたのは日本とインカ帝国だけでした。ポルトガルから種子島に鉄砲が伝来して以来、全国の大名が所持していた鉄砲の数は、ヨーロッパや中東の数倍にもなったと言われていますが、それは、日本の鍛冶技術が極めて優れていたからです。

 現在の日本の中小企業を見渡しても、世界のマーケットシェアの6、7割を占めるような部品メーカーが数多くあります。これは日本人の中に営々と受け継がれてきた和の心、そこから生まれた匠の心があるからです。

 「日本化」とでも言うのでしょうか。日本という国は不思議な国で、海外から取り入れたものに改善を加えて、良質で優れたものに変えてしまいます。それはものだけではなく、思想や文化でも言えることです。例えば、儒教はもともと人民を統治するための統治思想で、普遍的な優れた価値を生み出すものではなかったのですが、日本に来ると優れた精神修養哲学になりました。仏教もしかり。車に代表されるような工業製品も同様です。ありとあらゆるものがそうです。

 また、教育程度が高いことも日本の強みです。歴史的にみても、日本人は学ぶことに対して謙虚であり貪欲でしたが、その遺伝子は現在にもつながっています。

 こうした日本の素晴らしさを守っていけば、トランプ大統領がどう出ようが、臆することはありません。冷静に長い目で見ながら、自分たちがなすべきことを着実に進めればよいのです。


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