加瀬英明のコラム
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  8ヶ月ぶりの米朝首脳会談 手ぶらで帰った金正恩委員長の誤算
    Date : 2019/03/22 (Fri)
 8ヶ月ぶりにハノイで、米朝首脳会談が開かれた。物別れになったのは、上首尾だった。

 サミットの前日、私は都内の帝国ホテルで、経営者団体の例会で講演を行った。

 私は「北朝鮮が核兵器を手放すことはありえない。米朝サミットは、まったく成果がなく終わろう」と、予想した。

 トランプ大統領は会談後、金正恩委員長を「よい友人だ」と誉めそやしたが、何一つ土産を渡すことがなかった。アメリカは北朝鮮に対する経済制裁を緩めないから、金委員長の苦境が深まることになる。

 北朝鮮はアメリカと話し合っているかぎり、核実験や、ミサイルの試射を行えない。これは、トランプ大統領の大きな功績だ。

 金委員長は、ハノイでしくじった。トランプ大統領が“ロシア疑惑”によって追い詰められ、来年の大統領選挙へ向けて功名をたてるのを焦っているから、北朝鮮に譲ろうという、アメリカの偏向したマスコミの報道によって、日本の識者と同じように騙されたのだ。

 アメリカの主要なマスコミは、日本のマスコミが「反安倍」であるように、根のない反トランプ報道に血道をあげている。

“ロシア疑惑”はトランプ政権の致命傷にならないし、トランプ大統領の支持率はかえってあがっている。

 このままゆけば、トランプ大統領は再選されることとなろう。

 民主党はこの前の大統領選挙で、金粉に塗(まみ)れたヒラリー候補を担いで敗れてしまった反動として、これまで大統領選に名乗りをあげた候補は、全員が左旋回している。

 レースに加わった顔触れのなかで、誰よりも支持が高く、最有力といわれているのが、前の選挙でヒラリー候補に肉迫をした、77歳のバニー・サンダース上院議員だ。サンダース議員は自らを「社会主義者(ソシアリスト)」だと呼んでいるが、昔、ソ連を称えたこともあった。

 大統領候補の指名レースに参入した顔触れの大多数が、「民主社会主義者」だといって、経済格差の解消、富裕税の導入、社会保障の充実、国民健康皆保険、環境保全、国防費の削減などを訴えている。

 やはり77歳になるジョー・バイデン前副大統領は民主党主流派で、出馬すれば有力候補になるといわれる。

 「社会主義(ソシアリズム)」という言葉が、アメリカで甦ったのは、稀有(けう)なことだ。これらの候補の支持者は、北欧型の高度福祉国家を目指している。“アメリカ・ファースト”の変形だといえるが、日本を守る意欲が萎えよう。

 たしかにアメリカでは、富裕層と一般国民との所得の格差が拡大してきた。日本ではカルロス・ゴーン前日産会長が、国民からみて桁外れな報酬を手にしていたが、アメリカの新聞によれば、2017年にゴーン氏の1690万ドルに対して、日産より規模が小さいGMのマリー・バラ会長が2190万ドルを受け取っていた。世界一の自動車メーカーのトヨタの会長は、僅か400万ドルだった。

 習近平国家主席も終身主席となって悦に入っていたが、米中対決を免れようとして、トランプ大統領のもっぱら鼻息を窺っている。

 北朝鮮が非核化することはありえないし、中国も、アジアと太平洋の覇権を握る野望を、捨てることはない。

 日本が直面する大きな脅威が、3つある。中国と北朝鮮と、日本国憲法だ。日本は憲法が自国の存立を脅かしている、唯一つの国だ。


  「専守防衛」ほど無意味なものはない
    Date : 2019/03/04 (Mon)
 日本は世界のなかで、自国の憲法が安全保障の最大の脅威となっている、唯一つの国だ。

 憲法はその国の精神を、表わしている。

 前文が、「政府の行為によって再び戦争の惨禍が起ることのないやうにする」と述べて、日本だけに先の大戦の全責任を、一方的に負わせて、日本が悪い国だときめつけている。

 この憲法のもとで、日本は自虐的な態度をとってきたために、国外から軽くみられ、虐げられる原因をつくってきた。

 前文はさらに、一国の安全を世界の「諸国の公正と信頼して、われらの安全と生存を保持」すると、宣言している。
日本国憲法が世界の現実を歪めてきたために、国民が危険な幻想に浸ってきた。

 日本は人にたとえれば、幻視、幻聴を病んできたために、人格が崩壊して、正常な社会的関係を結ぶことができない統合失調症を患っている。

 このところ、韓国が日本を好き放題に嬲(なぶ)っているために、日本で嫌韓感情が沸騰している。 

 書店に嫌韓本が並び、雑誌も韓国に呆れ果てて、韓国を憐れむ記事で埋まっている。

 慰安婦(ウイアンプ)など両国間の合意を踏み躙ったうえで、徴用工(ジンヨンゴン)、火器管制レーダーの照射問題など、常軌を逸した振舞いがとまらない。

 韓国は現実を無視して妄想にとらわれているから、とうてい国家と呼べない。日本中が韓国を疫病のように、みるようになっている。

 韓国は国として体をなしていない。政府もどう対応したらよいか、途方に暮れている。

 だが、いったい日本に韓国を見下したり、嘲る資格があるものだろうか。

 昨年、政府が3万トン級の“いずも型”ヘリコプター搭載護衛艦を空母に改装して、F35Bステルス戦闘機を搭載すると発表すると、岩屋防衛相が「状況に応じて戦闘機を載せるから、他国への脅威とはならない」と述べ、自公与党が「専守防衛の枠内で運用する」という確認書を交換した。

 だが、危機が迫ってから、艦載機を載せるのでは、訓練や運用に支障はないのだろうか。

 テレビのワイドショーで、識者が真顔をして「攻撃空母を保有するのは、憲法違反だ」と述べていたが、番組の他の出演者は誰も非常識な発言だと、思わなかった。多くの視聴者も同じことだったろう。

 中国の国防支出は中国政府の発表によっても、1988年以後、毎年2桁で増して、日本の10倍以上もあり、アメリカにつぐ軍事大国となっている。
 
 私には“いずも級”護衛艦を、F35B戦闘機を8機か、10機搭載する小型空母に改装しても、どうして中国に脅威を与えることになるのか、理解できない。

 「専守防衛」という言葉は、日本国憲法と同じように、日本の国内にだけ通用して、外国語に訳することが、まったくできない。「専守」という概念自体が、世界のどこにも存在していない、無意味な言葉だ。

 日本語でも、具体的に何を意味しているのか、分からない。

 いったい「専守に徹する」スポーツ競技が、あるものだろうか。読者諸賢のなかで、説明できる方がいられるだろうか。「必要最小限の防衛力」も、意味がない言葉だ。

 日本の独立と国民の生命を、わけが分からない言葉に託して、よいはずがない。

 人体の健康と同じように、平和は努力して守らねばならない。平和を守る努力をしないのでは、平和を大切にしているといえない。


  安全保障の脅威は日本国憲法 「専守防衛」は日本だけが使う言葉
    Date : 2019/02/22 (Fri)
 韓国の文在寅政権が日本を好きなように嬲(なぶ)っているのに対して、日本で嫌韓感情が沸騰している。

 書店に嫌韓本が並び、雑誌も韓国に呆れ果てて、韓国を憐れむ記事で埋まっている。

 慰安婦(ウイアンプ)をめぐる合意を踏み躙ったうえで、徴用工(ジンヨンゴン)、火器管制レーダーの照射問題に続いて、文大統領が日本に「反省(パンソン)を求める」発言を行い、常軌を逸した振舞いがとまらない。

 韓国は現実に目をつむって、妄想にとらわれている。とうてい国家と呼べない。

 日本中が韓国を疫病のようにみなすようになっている。政府もどう対応したらよいか、途方に暮れている。つける薬がないのだ。

 韓国は頭痛の種だ。といっても、日韓関係を軋(きし)ませた責任は、慰安婦問題をつくりだした朝日新聞と、故なく謝罪した河野洋平官房長官(当時)など、韓国に対して毅然たる態度をとるべきところを、紙面を売るためにニュースを捏造したり、侮られるもとをつくった日本側にある。

 日本は自虐的な態度をとってきたために、は国外から軽くみられて、虐げられる原因をつくってきた。

 韓国は歴史を通じて中国の属国(ソグク)だったために、物事を自主的に決める力がなく、強い者に諂うかたわら、弱い者に対して居丈高になって、苛める習性がある。

 韓国は国として体をなしていない。このままでは、国として成り立ってゆかないだろう。

 憐れむべき国だ。だが、いったい日本に韓国を見下したり、嘲る資格があるものだろうかと思う。

 昨年、政府が3万トン級の“いずも型”ヘリコプター搭載護衛艦を空母に改装して、F35Bステルス戦闘機を搭載すると発表したが、自公与党が「専守防衛の枠内で運用する」という確認書を交換した。

 テレビで識者が真顔をして、「攻撃空母を保有するのは、憲法違反だ」と述べていたが、番組の他の出演者は、誰も非常識な発言だと思わなかった。多くの視聴者も、同じことだったにちがいない。

 中国の国防支出は中国政府の発表によっても、1988年以後、毎年2桁で増して、日本の10倍以上もあり、アメリカにつぐ軍事力を擁している。

 私には、“いずも級”護衛艦を、F35B戦闘機を8機か、10機搭載する小型空母に改装しても、どうして中国に脅威を与えることになるのか、理解することができない。

 本誌の前号でも指摘したが、「専守防衛」という言葉は、日本の国内だけで通用して、外国語に訳することがまったくできない。「専守」という概念自体が、世界のどこにも存在していない、意味がない言葉だ。

 いったい、「専守する」スポーツ競技があるものだろうか。「必要最小限の防衛力」といっても、武芸や、スポーツに適用できるだろうか。

 一国の安全を「諸国の公正に信頼して、われらの安全と生存を保持」するという日本国憲法からして、世界の現実を受けいれることを拒んで、妄想に浸っている。

 日本は人にたとえれば、幻視、幻聴を病んでいるために、人格が崩壊して、正常な社会的な関係を結べない、統合失調症を患っている。

 日本は自国の憲法が安全保障の最大の脅威となっている、唯一つの国だ。


  グローバリズムを破壊したトランプ政権の功罪
    Date : 2019/02/12 (Tue)
 トランプ大統領は、大手マスコミによれば乱暴・粗暴で、勝手な思い込みによって、相手構わず独り芝居をしているといわれるが、昨年11月で2年が経過した。

 トランプ大統領は、それまでアメリカの政治のまったくの部外者だったが、登場したことによって、世界に激震が走り、世界のありかたが大きく変わった。

 トランプ政権の2年間をひと口でいえば、国際主義――グローバリズムが支配していた世界を破壊して、世界の潮流を逆流させた。僅か2年で、それぞれの国を伝統的な姿――というと、古い世界に戻した。

 グローバリズムが何だったかといえば、世界経済を支配下に置こうとする、アメリカの大企業がもたらしたものだ。
アメリカの大企業は利潤のみ追求して、自国の大衆を犠牲にして、無国籍な経営を行い、製造業を中国などの低賃金の諸国に放り投げてきた。

 そのために、どの国においても所得の格差が拡がって、伝統的な共生社会が破壊され、人と社会、人と人との繋がりが断ち切られた。

 そのかわりに「個」を尊重して、いっさいの差別や、区別を悪とみなすようになった。オバマ政権のもとで大統領令が発せられて、自分が信じる性によって、男女どちらのトイレを使ってもよいことになり、LGBTをはじめとする人々が、大手を振って闊歩するようになった。

 『ニューヨーク・タイムズ』紙をはじめとするアメリカの大手新聞は、LGBTQとかならず書いているが、日本ではさすがにQを省いている。Qはqueer(クイアー)、変態の意味であって、変態も先天的な個性とされ、今日のアメリカでは「私は変態だ」と、胸を張っていえるようになった。

 アメリカの大手メディアや、著名研究所や、富裕層、高所得の識者は、大企業によって養われて、潤(うるお)ってきたから、トランプ非難の大合唱を行っている。

 大手メディアは「トランプ大統領が、アメリカ社会を分断している」と、糾弾している。

 だが、事実はまったく違う。グローバリズムによって、アメリカ社会が分断されていたから、我慢できなくなった大衆が立ち上がって、トランプ大統領が誕生したのだった。

 金銭は国境を越えて動くから、国籍がない。グローバリズムは結局のところ、拝金主義だった。

 もっとも、拝金主義は忌まわしいが、国を富ませ、国民の活力を増すために、金(かね)を稼ぐことは、おおいに奨励されるべきことだ。

 福沢諭吉が「文明は金銭だ」と断じているが、江戸時代後期に日本精神を明らかにした国学者の本居宣長は、「金銭は有用であって、金銭が穢いという漢意(中国の偽善的な考え)に染まってはならない」と、説いている。金銭はあくまでも国力を強め、国民の福祉のために役立てなければならない。

 日本でも戦後73年にわたって「国際化」とか、「国際人」がもて囃され、グローバリズムによって蝕まれてきた。

 財務省による報告書『国際収支状況』によれば、日本企業による平成17(2005)年から平成25(2013)年までの海外直接投資額は、アメリカが1位で18兆5634億円、2位が中国で7兆890億円、3位がオランダで6兆4千億円強、4位がイギリスの5兆円強、5位がケイマン諸島の6兆2千億円あまりだった。

 多くの日本企業の工場が、アメリカ、中国、イギリスに存在するものの、オランダにはゴーン前日産会長の豪邸がある他には、ケイマン諸島と同じように何もないから、納税を回避するのを目的としていたと思われる。

 トランプ政権の「アメリカ・ファースト」は、アメリカの国益を重んじようという雄叫びだ。時代が「日本ファースト」に立ち戻ることを、求めている。


  憲法改正には、女性の声がどうしても必要だ
    Date : 2019/02/05 (Tue)
 私は仕事で、アメリカや、ヨーロッパをしばしば訪れてきた。いまでも毎年、ワシントンに春と秋に通っている。

 欧米ではカーナビをはじめ、さまざまな案内や指示が、男性の声によって行われているほうが多い。ところが、なぜか、日本ではほとんどが、女性の声だ。

 交差点では、交番の拡声器から女性警察官の声で、「左右をよく見て、お渡り下さい」という注意が流れてくる。

 なぜなのだろうか。どうして案内や、指示というと、日本では女性の声が用いられるのだろうか。

 日本は女性が優っている国なのだ。女性が家庭を取りしきって、支配している。父親ではなく、母親が家庭の中心だ。男たちは幼い時から、母親によって育てられ、躾けられる。

 日本では男たちは、女性の声には安心して従うものの、男性の声だと反発して、すなおに受け容れない。

 日本では祖国を、母国と呼ぶ。出身校は母校だ。敷地のなかで、もっとも大きな家は母屋(おもや)だ。乳母車(うばぐるま)や、トラックにかかっているホロを、「母衣(ほろ)」と書くが、武士が戦場で首筋を守るために、後頭部にかけた鎖の綱のことだ。いつも、母が守ってくれるのだ。

 英語、ドイツ語では、「母国」(マザーランド、ムターラント)ともいうが、「父国」(ファーザーランド、ファータラント)とも呼ぶ。フランス語になると、「父国」(ラ・パトリ)しかない。

 母親はできる子も、できない子も、均しく愛してくれる。父親はできる子と、できない子を区別する。日本が平等な和の国であるのに対して、西洋は厳しい競争社会だ。

 西洋は男尊女卑の社会だ。女は弱者だから大切に扱われるが、女のほうが男に甘えて我儘(わがまま)になる。弱い者のほうが我儘になり、強い者は耐えるものだ。日本では男が我儘で、女性が男が我儘であるのを許す。男が弱者だ。

 日本では女性が男性に対して、「男らしくしなさい」と叱るが、西洋では男から男にしか「ビー・ア・マン!」(男らしくしろ)といわない。西洋では夫が家計を握っているが、日本では夫が妻から小遣いを貰う。

 日本神話の主神は、女神の天照大御神でいらっしゃるが、西洋ではギリシャ、ローマ、北欧神話など、どの神話をとっても、主神が男性神であって、厳格な独裁神である。

 日本は歴史を通じて人と人との和を、もっとも大切にしてきたために、平安時代の400年、江戸時代の260年にわたって、平和が保たれた。このように長く平和を享受した国は、世界のなかで日本しかない。これも、女性が優っている国だからだろう。

 いま、日本を取り巻く国際環境が激変している。日本の平和を守るために、現行憲法を一刻も早く修正する必要に迫られている。

 ところが、12月に終わった国会会期では、憲法審査会が開かれたのに、野党が改憲について論議するのを拒んだので、憲法が論じられなかった。

 野党は憲法を軽視して、おろそかにしている。もし、真剣に護憲を主張しているのなら、「日本がアメリカの占領下のままでいるべきだ」と、どうして堂々と主張しないのか。

 日本の平和を保ってゆくためには、憲法を厳しい現実に合わせなければならない。

 憲法を改めるためには、女性の声がどうしても必要だ。女性が男たちを励まして、憲法改正運動の先頭に立ってほしい。


  意味不明な言葉に頼る「専守防衛」  国防と防衛の違いとは
    Date : 2019/01/22 (Tue)
 12月に、平成31年度政府予算案が発表された。

 防衛費が7年続けて脹らんで、前年比で1.3%増の5兆2594億円となるかたわら、『いずも型』ヘリコプター搭載・大型護衛艦を、空母に改装することとなった。

 日本が講和条約によって独立を回復してから、66年以上もたって、ようやく旭日旗を翻した航空母艦が、最新鋭ステルスF35Bを載せて、日本の海の守りにつく。

 といっても、岩屋防衛相が「状況に応じて戦闘機を載せるから、他国への脅威とならない」と述べ、読売新聞が「常時戦闘機を搭載せず」という大きな見出しを組んで、報じた。

 さらに、自民・公明与党が、新空母について「専守防衛の枠内で運用する」という、確認書を交換した。

 私は多くの読者と同じように頭が悪いので、艦載機を危機が迫ってから載せると、どうして専守防衛に変わるのか、理解できない。艦載機を常時搭載しないで、訓練、運用に支障はないのだろうか。

 「専守防衛」という言葉は、英語をはじめとする外国語に訳することができない、まったく意味不明な言葉だ。
英字新聞は、”defense-oriented policy”と訳しているが、「防衛を主とした政策」であれば、どの国もそう装っている。アメリカは国防省、中国、韓国も国防部を称している。

 国家の安危と国民の生命を、このような意味不明な言葉に、依存してよいものだろうか。 

 戦後の日本の政治家や、マスコミは、脳腫瘍を患っていて、言語障害におちいっている。これでは、国を守ることができない。

 11月に、私はワシントンで政権の友人たちと会食した。
なかに、国家安全会議(NSC)補佐官がいた。
「ドイツの国防費は、GDP(国内総生産)の1.15%だ。自国を守る価値がないと思っている国を守るために、アメリカの青年たちが、血を流すだろうか?」といった。

 オバマ政権下で、北大西洋条約機構(NATO)ヨーロッパ27ヶ国は、GDPの2%を国防にあてることを、約束した。ところが、イギリスなど7ヶ国しか、約束を守っていない。GDP比で日本の防衛費は、ドイツ以下だ。

 政府も、私も「防衛費」といっていることに、注目してほしい。「国防」は禁句とされている。

 なぜ、国防といってはならないのか。日本の国防は米軍が行うことで、自衛隊は米軍をわきから援けて、防衛に当たるからだ。

 空母に常時艦載機を載せると、周辺諸国に脅威を与えるというが、中国、北朝鮮、韓国を除く他のアジア諸国は、日本が空母を保有することを、双手を挙げて歓迎しよう。「刺激してはならない」というのでは、中朝韓3ヶ国がまるで暴力団の組事務所のようで、失礼ではないか。

 日の丸を翻す空母が登場するのは、60年遅かった。もし、独立を回復した後に、空母が出現していたら、北朝鮮によって多くの日本国民が、拉致されることがなかった。

 拉致被害者は、「日本国憲法」の被害者なのだ。

 人体の健康と同じように、平和は守らなければならない。平和を守る努力をしないのは、平和を大切にしないからだ。


  日本という太陽が世界を照らす
    Date : 2019/01/07 (Mon)
 6年前に、セルビア共和国のアダモヴィッチ・ボヤナ大使によって、大使館に昼食に招かれた。

 私は挨拶を終えると、すぐに第一次世界大戦後のパリ講和会議において、日本全権団が戦後世界を管理する国際機構となる国際連盟憲章に、「人種平等条項」をうたうように提案したのに対して、セルビアが賛成票を投じてくれたことに、御礼を述べた。

 すると、女性の大使が驚いて、「着任してから、このことについて御礼をいわれたのは、はじめてです」といって、喜んでくれた。

 11月に、パプア・ニューギニアでAPEC(アジア太平洋経済協力機構)サミットが開催され、安倍首相も参加した。

 3年前に、私は都内の夕食会で、パプア・ニューギニアのガブリエル・J・K・ドゥサバ大使と同席した。すると、大使が「私の父親は先の大戦中、日本軍の連隊を助けて、密林のなかを、オーストラリア軍と戦いました。日本のおかげで、独立を達成することができました」といって、連隊長の名と連隊番号をあげて、感謝した。

 ニューギニア島は東半分がオーストラリア、西半分がオランダによって、領有されていた。

 パリ会議は、ヴェルサイユ会議としても知られるが、1919年2月に日本全権団が「人種平等条項」を提案したところ、11票対5票で採択されそうになったが、議長をつとめていたウィルソン・アメリカ大統領が、「このような重要な案件については、全会一致でなければならない」といって、日本案を葬った。

 小国が賛成票を投じたのに対して、アメリカはフィリピンを領有し、国内で黒人を差別していたが、英仏などの植民地帝国が反対した。

 今年は、日本全権団が「人種平等条項」を提案してから、百周年に当たる。

 日本は先の大戦で、大きな犠牲を払って戦って敗れたが、西洋が数百年にわたり支配していたアジア諸民族を解放し、その高波がアフリカ大陸も洗って、次々と独立していった。

 その結果、日本の力によって、長い人類の歴史における最大の革命となった、人種平等の理想の世界が、はじめて招来された。

 不平等条約改正と、人種平等の世界を創ることが、幕末からの日本国民の大きな夢だった。

 日本という太陽が昇って、世界を隅々まで照らした。

 私事になるが、オノヨーコが私の従兄姉に当たるので、ジョン・レノンとも親しかった。今年がジョンとヨーコが結婚してから、50周年に当たるために、内外でさまざまなイベントが催される。

 ジョンは『イマジン』の曲で有名だが、日本が先の戦争によって、戦争前に誰も想像(イマジン)すらできなかった、人種平等の世界を創ったことを高く評価して、ヨーコと2人で靖国神社に参拝している。


  現行憲法下では自衛隊は国防の傍役でしかない
    Date : 2019/01/07 (Mon)
 私は春と秋に、年2回、ワシントンに通っている。

 いま、世界の未来が、アジアのありかたにかかっている。

 トランプ政権は発足してから、11月に次の2020年の大統領選挙の折り返し点になった2年が過ぎたが、前半の2年に起ったもっとも重要な出来事は、中国と真正面から対決することになったことだ。

 中国の習近平政権は中国の力を過信して、アメリカが内に籠ろうとしていると判断して、アメリカを追し退けて、世界の覇権を握ろうとしているのに対して、アメリカが反発して、立ち塞(ふさ)がったのだ。

 習近平主席は、南シナ海に埋め立てた7つの人工島を「軍事化しない」と、オバマ大統領と固く約束したのにもかかわらず、ミサイルを配備して、南シナ海を支配しようとしているのをはじめ、軍事先端技術でアメリカを凌ごうとするかたわら、中国からアジアを通ってヨーロッパまで、70ヶ国あまりを取り込もうとする、「一帯一路」戦略を露骨に進めているのに、アメリカが堪忍袋の緒を切らしたのだ。

 米中対決は、“米中新冷戦”と呼ばれているが、これはトランプ政権だけによる決定ではない。共和、民主両党をはじめ、アメリカの識者、著名シンクタンク、大手新聞・テレビによる、コンセンサス(合意)だ。

 トランプ政権のもとで、アメリカは世界を一手に守ってきた重荷を軽くして、ヨーロッパや、日本などの同盟諸国が分担することを期待している。多くのアメリカ国民が諸国の防衛を、アメリカに押しつけられてきたと思って、不公平だと考えるようになっている。

 アメリカは国防費にGDP(国内総生産)の3.1%を、支出している。オバマ政権下でNATO(北大西洋条約)に加盟しているヨーロッパの27ヶ国が、GDP2%を国防費にあてると約束したのにもかかわらず、約束を守っているのは、イギリスなど7ヶ国にしかすぎず、ヨーロッパ第一の大国のドイツは、1.2%でしかない。

 11月に、ワシントンを訪れた時に、トランプ政権の旧知の関係者と会食したが、なかに国家安全会議(NSC)の幹部がいた。

 「ドイツの国防費は、1.2%にしかならない。ドイツ国民が自分の国の価値が、それしかないとみなしているのなら、どうしてアメリカの青年たちが、自国を大切にしない国を守るために、血を流す必要があるのだろうか」
 といった。

 日本はNATOの計算基準を当てはめると、防衛費として1.15%を支出している。

 ここで、私が「防衛費」という言葉を使っていることに、注目していただきたい。「国防費」ということは、許されないからだ。

 日本は現行の「日本国憲法」のもとで、「国防」はアメリカに委ねて、自衛隊はアメリカ軍を補助して「防衛」に当たることになっている。アメリカが日本の国防の主役であって、日本は傍役(わきやく)なのだ。

 日本国民は非常の場合には、アメリカが守ってくれると思い込んでいるから、国防意識が低い。これでは、日本が亡びてしまう。

 韓国の文在寅(ムンジェイン)政権は、親北朝鮮政権であって、在韓米軍が撤退することもありうる。

 憲法を改正して、自衛隊を保有することを憲法にうたうことを、急がなければならない。


  本気のアメリカと慢心する中国 米中の冷戦の先に見えるもの
    Date : 2018/12/27 (Thu)
 私は11月にワシントンで、5日間過した。

 アメリカは、中国の超大国化の野望を挫いて、中国を抑えつけることを決意した。この決意はトランプ政権だけに、よるものではない。

 国家安全会議(NSC)、国防省、国務省などが協議して決定したものではなく、誰がどうというより、政権、与野党、アメリカの中国専門家、シンクタンク、識者などのコンセンサスであって、有機的にひろく形成されたものだ。

 習近平主席が訪米して、オバマ大統領と会談した後の共同記者会見で、南シナ海に埋めたてた7つの人工島を、絶対に軍事化しないと誓約したのにもかかわらず、ミサイルを配備して、世界の通商の4分の1以上が通る南シナ海を内海に変えようとしていることや、異常な軍拡を行っていること、世界制覇を企んで「一帯一路」計画を、強引に進めていることなど、傍若無人に振る舞うようになったのに、堪忍袋の緒が切れたものだ。

 今後、中国がすぐに引き下がることを、期待できないから、米中対決は長く続こう。

 私が前号で書いたように、貿易・関税戦争は入り口でしかない。

 アメリカが中国と対決することに決したのは、トランプ政権が2016年に発足してから、最大の決定だといわねばならない。

 中国の野望を砕く戦略の中核にされているのが、中国への先端技術の移転を停めて、中国の超大国化の源泉となってきた、先端技術の池の水を抜こうとすることだ。

 私は福田赳夫内閣、中曽根内閣で、首相特別顧問という肩書を貰って、カーター政権、レーガン政権を相手に対米折衝の第一線に立ったから、ワシントンは旧戦場だ。

 ホワイトハウスに向かって、右側にオールド・エキュゼキュティブ・ビルディングという、副大統領の執務室もある、古い煉瓦造りの建物がある。2016年にトランプ政権が舟出した時には、ここにハイテクノロジーの担当者が1人しかいなかった。現在では、ハイテクノロジーの担当者たちが、1(ワン)フロアを占めている。

 習主席の中国は、「野郎自大」だ。「夜郎自大」は中国最古の正史である『史記』に、夜郎という小国の王が、漢が広大で強大なことを知らず、自らの力が勝っていると思い上がって、漢の使者に対して傲慢に振る舞ったという、故事によっている。

 中国は歴代の統一王朝が、自分が全世界の中心だという、“中華主義”を患ってきた。私は“中禍主義”と呼んでいるが、慢心して他国を見縊(みくび)る、自家中毒症状を病んできた。

 アメリカとソ連が対決した冷戦の舞台は、ヨーロッパや、朝鮮半島、アフガニスタンであって、陸上の争いだった。
米中“冷戦”の主舞台は、陸ではない。海だ。

 この冷戦は、米日対中の冷戦だ。トランプ政権が「太平洋軍」の呼称を、「インド太平洋軍」に改めたのは、新たな冷戦の性格を表わしている。

 中国にはソ連になかった、脆弱点がある。中国は世界貿易と、先進諸国からの投資に依存してきた。

 そして20世紀と違って、製造・金融の拠点を国境を越えて、短時間で移転することができるから、中国の“仮想空間”である巨大経済を維持することが、難しくなろう。


  日本を守るD 憲法改正で国家の安全と国民の生命を守れ
    Date : 2018/12/27 (Thu)
 安倍政権が憲法を改正しようとするなかで、憲法談義が喧(かまびす)しくなっている。

 北朝鮮の核、中国の脅威が募り、米国が「アメリカ・ファースト」のもとで、同盟諸国に応分の国防責任の分担を迫っている。

 日本は国際環境の激変に合わせるために、憲法のごく一部を修正しなければならない。

 ところが、野党は憲法を軽んじている。野党は11月に閉会した国会で、憲法改正を論じる憲法審査会を開くことを拒否した。もし、国民に護憲を訴えたいなら、なぜ、審査会の場で、米軍による占領時代に戻るべきことを、堂々と主張しないのか。

 米中“新”冷戦が、日本とアジアの未来を決めることとなる。米ソ間の冷戦は陸上を舞台にしたが、米中冷戦の舞台は、米国がハワイに司令部を置く「太平洋軍」を、先日「インド太平洋軍」と改名したように、海だ。

 12月に、政府は「いずも型」ヘリコプター搭載護衛艦を、F35B戦闘機が発着する空母に改装することを決定した。日本が対日講和条約によって独立を回復してから、66年以上もたってから、空母が、旭日旗をひるがえして、日本の守りにつくのだ。

 だが、岩屋防衛相がこの改修に当たって、「任務に応じて戦闘機が載せても、攻撃型空母にあたらず、他国に脅威を与えない」と、述べた。読売新聞によれば、「必要な時だけ、戦闘機を搭載する方針」だそうだ。

 さらに、自民・公明与党間で、「改修はあくまでも専守防衛の範囲内である」ことを明記した、「確認書」が交わされた。

 常時、艦載機を載せないで、訓練、運用に支障がないのか。危機が迫ったと判断して載せたら、どうして専守防衛になるのか。

 「専守防衛」という言葉は、英語をはじめとする外国語に、訳することができない。国家の安全と国民の生命を、まったく無意味な言葉に預けて、よいものだろうか。

 中国、北朝鮮以外のアジア諸国は、常時、艦載機を載せても脅威と感じまい。中国や北朝鮮、韓国を刺激してはならないというのは、近くの暴力団の事務所を刺激してはならないというのと同じで、3ヶ国に失礼なことだ。

 平成が、31年で終わる。この間、北朝鮮から拉致被害者を救えなかった。もし、日本が独立を回復した後に、日本の経済規模の半分しかない英仏と同じ軍事力を持っていたら、国民が国土から拉致されなかった。拉致被害者は、「日本国憲法」の被害者なのだ。


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