加瀬英明のコラム
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  世界から見た皇室――令和の御大典を寿ぎて
    Date : 2019/09/20 (Fri)
 私は昭和天皇が崩御されて、殯宮伺候(ひんきゅうしこう)の1人としてお招きをうけたほかに、何回か新宮殿にあがったことがある。

 私はそのたびに、ヨーロッパの絢襴豪華な宮殿や、歴代の中国の皇帝が住んだ北京の故宮と較べて、日本の皇居は何と違うのかと痛感する。

 新宮殿のなかには金銀に輝く装飾や、人々を威圧する財宝が一つもない。神社の雰囲気が漂っている。

 皇居の杜に囲まれた宮殿の建築様式は、日本に上代から伝わる高床式で、屋根に千木が組まれている。

 天皇陛下がおわされるところに、まことにふさわしい。日本の国柄が表れている。天皇が権力者ではなく、千古を通じて日本を精神的に束ねてこられたことを、感じさせられる。

 私が親しくしてきた外国の元首も、大使たちも皇居を訪れると、異口同音に諸外国の宮殿とまったく異った空間であることに驚いたと、語っている。

 天皇に拝謁した外国人は口を揃えたように、陛下が世界でもっとも謙虚な人であられると述べている。歴代の天皇は「私」をお持ちになることがなく、日本だけでなく、全世界の平和を真撃に祈ってこられたからだ。

 私はアメリカの未来予測の大御所といわれた、ハーマン・カーン博士(1922年〜83年)と親しかった。ハドソン研究所の創設者だったが、著書『超大国日本の挑戦』によって知られていた。博士が来日した時に、高松宮宣仁親王殿下の高輪の御殿にお連れして、御紹介したことがあった。

 その時に、殿下が兄宮に当たられる昭和天皇について、「私たちはせいぜい百年前後しか考えないが、(昭和天皇は)つねに、これまでの2000年と、これからの2000年の時間によって、お考えになられている」と仰言ったので、饒舌な博士がしばらく黙ってしまった。

 外国人識者による日本論といえば、イギリスの大記者だったヘッセル・ティルトマン氏(1897年〜1976年)を忘れることができない。戦前、イギリスの名門日刊紙『ザ・ガーディアン』東京特派員として来日し、戦後、日本に戻って吉田茂首相の親友として知られたが、在京の外国特派員協会会長もつとめた。

 私は当時からアメリカの新聞に寄稿していたが、26歳の時にティルトマン記者の知遇をえて、戦前と占領下の日本における体験をきくうちに、目を開かれることが多かったので、新潮社に話して同氏の回想録を『週刊新潮』に、昭和40年に36週にわたって連載した。

 このなかで、ティルトマン氏は満州国を絶賛するなど、日本の行動を擁護している。 

 そして、日本が建国以来国柄を変えることなく守ってきたことを、「日本は2600年古い国ではない。2600年も新しい国だ」(『日本報道三十年』、平成28年に 祥伝社が復刊)と述べている。

 ティルトマン氏は私に「日本は古い、古い国であるのに、外国と違って廃墟となった遺跡が一つもないのは珍しい。皇室が万世一系で続いているのを説明しています」といって、伊勢神宮など多くの神宮や神社が20年あまりの周期で、式年遷宮―昔の姿のまま忠実に造営されていることをあげた。

 私はギリシアのアテネで古代アクロポリスの丘にたつパルテノン神殿を訪れたことがあるが、今日のギリシアのありかたとまったく無縁である。

 私は『源氏物語』や、川端康成文学の名訳者として知られた、エドワード・サイデンステッカー教授(1921年〜2007年)とも親しく、上野池の端で催されたお別れの会で献杯の言葉をのべたが、口癖のように「わたしは明治翻訳語の『指導者』という言葉が、大嫌いです。日本は和の国です。最高神の天照御大神も権威であっても、権力はなかった」と嘆いていた。

 日本では、神代のころから合議制の「和」の国だったから、英語のリーダー、ドイツ語のフューラーに当たる言葉が存在しなかった。

 日本の浮世絵を中心としたジャポニズムが、幕末から明治にかけて、西洋の絵画、庭園、建築、服飾などに深奥な影響を及ぼしたが、視覚的なものにとどまった。

 いま、日本の万物に霊(アニマ)が宿っているアニメや、日本発のエモジ、自然と一体の和食から、人と自然が平等だというエコロジーまで、かつてのジャポニズムをはるかに大きく超える、日本の心の高波が世界を洗っている。

 ヨーロッパ、アメリカでは、エコロジーが新しい信仰となって、一神教を置き換えつつある。日本の和の心がひろまることによって、抗争に明け暮れる人類を救うこととなろう。

 日本文化への共感が増すなかで、天皇の御存在に対する理解が、いっそう深まることとなってゆこう。


  ホルムズ海峡における日本の立場と平和憲法
    Date : 2019/09/09 (Mon)
 イランと北朝鮮が、中東とアジアの発火点となるか、世界の注目を集めている。

 両国は大きく離れているが、共通点が多い。

 イランは核兵器開発に取り組んできたかたわら、北朝鮮はすでに核弾頭を手にしているが、アメリカのトランプ政権が中心となって、核開発、あるいは核兵器を放棄するように、国際社会を捲き込んだ、厳しい経済制裁によって締めつけられて喘いでいる。

 中国、ロシア、ヨーロッパ諸国も、アメリカの制裁を恐れて、イランと北朝鮮に対する経済制裁に加わらざるをえない。

 もちろん、イランはキムチを食べないとか、イスラム教の厳しい戒律によって飲酒を禁じているとか、違いも多い。

 イランは、地理が有利だ。日本の石油・天然ガスの80%以上、ヨーロッパ諸国にとってもエネルギーの大動脈が通っている、ペルシア湾の幅37キロの狭い出入り口であるホルムズ海峡が、イランに面している。イランはイスラム教主流のスンニー派と、不俱戴天の二大宗派の一方であるシーア派の総本家で、アメリカ、イスラエルが支援するスンニー派の多くの諸国で、イラン革命防衛隊や、代理兵を使って、紛争をひき起しているが、北朝鮮は地域的な影響力がない。

 イランも、北朝鮮も、アメリカによる経済制裁を何とか緩和させようとして、駄々をこねている。イランは6月にアメリカの無人偵察機を撃墜し、革命防衛隊がホルムズ海峡周辺で、日本、イギリス、ノルウェーなどのタンカーを攻撃、拿捕(だほ)し、ウラン濃縮の度合いを高めた。北朝鮮は5月、7月に短距離ミサイルを発射し、年内に合意できなければ、アメリカともう話し合わないと脅している。

 トランプ大統領も、口では勇ましいことをいっても、戦いたくない。イランがアメリカの無人偵察機を撃墜すると、トランプ大統領はいったんイランに限定的攻撃を加えるように命じたものの、その直後に取り消した。

 イランを攻撃すれば、中東全域にわたってイランの代理兵が、米軍を攻撃することになったろう。

 トランプ大統領はアフガニスタン、イラク、シリアから、米軍を撤収することを発表しているものの、実現できないでいる。トランプ大統領は米軍を海外から引き揚げたことを、レガシーとしたい。だが、7月にサウジアラビアに小規模の米軍部隊が、派遣された。

 ペルシア湾の状況は、一触即発だ。

 トランプ大統領はこれまで3回にわたった米朝首脳会談が、北朝鮮の核実験と、中長距離弾道弾の発射を中断させてきたほかに、何一つ成果をあげず、すれ違いに終わったのにもかかわらず、話し合いを続けるといい、金正恩国家主席に対して微笑み続けている。

 だが、イランの最高指導者アリ・ハメネイ師と差しで、友好的に会談しようとしない。アメリカは核開発と並んで、イランが中東全域にわたって安定を乱しているのを阻止しようとしているが、イランは北朝鮮と同じ強権による独裁国家なのに、ハメネイ師が金主席のような唯一人の独裁者ではなく、僧侶勢力、革命防衛隊など、八岐大蛇(やまたのおろち)のような集団指導体制にあるからだ。

 だが、アメリカはイランの核開発と、北朝鮮の核兵器を放棄させることに、成功するだろうか。核開発と核戦力の増強を先送りできても、放棄させることはできないだろう。

 トランプ政権は、ホルムズ海峡の自由航行を確保するために、ペルシア湾にエネルギーを依存している諸国が有志連合を結成して、海軍部隊を派遣することを求めている。日本はホルムズ海峡に対して、依存度がどの国より高い。

 “平和憲法”を楯にして、アメリカにホルムズ海峡において日本のタンカーを護るのを委ねるべきだというのなら、京都アニメーションのような火災も、アメリカの消防隊に消してもらったらよいだろう。


  平和憲法の「平和」という言葉の危うさ
    Date : 2019/09/02 (Mon)
 青年時代に、私は鶴田浩二や、高倉健の任侠映画を楽しんだ。人気が高かったから、つぎつぎと続篇がつくられた。

 任侠といえば、弱きをたすけ、悪――強きをくじくという意味だが、主人公が男気に富んだ役を演じて、勧善懲悪の物語となっていたから、爽快感があった。

 座敷か、洋間の組の本部には、組長が座る背後に、かならず『誠』とか『仁義』とか揮毫された掛軸がかかっていた。任侠映画によって暴力団に憧れた若者も、いたことだろう。

 もっとも、暴力団はこのところは、警察の取締りが厳しくなって、「反社会勢力」と呼ばれるようになり、目を背けたくなる暗いイメージを持っている。暴力団を美化する任侠映画を、つくられなくなった。

 任侠という美名をかたりながら、弱い飲食店や、商店から、他の暴力団から保護するといって、“見ヶ〆料(みかじめりょう)”を強要したり、不法な賭博、高利貸し、麻薬売買などを行ってきた。

 しかし『誠』とか、『仁』『義』と書かれた掛軸の字には、不思議な力が宿っているから、それだけで人を説き伏せてしまう力が籠(こも)っている。

 だが、さまざまな悪事を働いている団体に、『誠』とか、『仁』『義』といった言葉は、まったく似つかわしくないものだ。

 ちょっと立ち停まって考えれば、現行憲法は「平和憲法」と呼ばれているが、この言葉も同じことではないだろうか。
暴力団の本部の床の間にかかっている、掛軸の「仁」とか、「義」という言葉によく似ている。

 「平和」は美しい言葉だ。だが「平和」という誰もが反対できない言葉の裏で、日本の安全を危うくする力が働いている現実から、目をふさがれているのではないか。

 日本には神代――古代から、言葉そのものに霊力が宿っているという信仰が、存在してきた。言葉を発すると、その言葉に合わせて現実が変わるというものであり、今日でも日本では言葉に超自然的な力がこもっている。

 英語をはじめとするヨーロッパ諸語であれば、「シンシアリティーSincerity」(誠)とか、「ジャスティスJustice」(義)という単語を額装して掛けたとしても、見る人が「『まこと』といっても、いったい何を意味しているのか? 何が『まこと』なのか?」「何が『正義』なのか?」と、その内容についていぶかることだろう。

 日本では「験(げん)」(縁起)を担いで、不吉な言葉を発することを慎む。もし家族に受験生がいたとしたら、「落ちる」という言葉を使うことを避ける。私たちは日常、意識しないで験(げん)を担いでいる。「開く」といえば始まることだが、宴会が終わる時には「これでお開きとします」という。

 いまから74年前の敗戦までは、「無敵日本」「無敵海軍」とか、「神州不滅」という言葉が、罷り通っていた。
 験(げん)を担いで、全滅は「玉砕」、退却は「転進」と呼び替えられた。軍部は戦争末期に、本土決戦を戦うといって、「一億総特攻」を呼号したが、昭和天皇の終戦の御聖断によって、亡国を免れることができた。

 口先だけのことなのに、言葉は景気づけにも使われるから、警戒しなければならない。

 「平和憲法」の平和という言葉を鵜呑(うの)みにして、騙されてはなるまい。「一億総特攻」を繰り返すことになりかねない。


  亡父の薫陶
    Date : 2019/08/30 (Fri)
 私は幼いころから、父から「女と動物を苛めてはならない」と教えられて、育った。

 もう一つ、小学校に進むようになってから、正座して『論語』の素読をさせられた。父が同じ歳のころに、祖父から強いられたことだった。

 私が漢籍から引用できるようになったのと、女性と動物を大切にするようになったのは、この2つの躾によるもので、感謝している。

 父は私が高校生のころから、馴染みの座敷に連れていってくれて、芸妓の伽羅の香りや、絃歌の世界を知った。私は父の秘密を共有するようになったから、父をいっそう好きになったし、母を大切にするようになった。

 父は人が羨むほど夫婦仲がよかったし、犬と猫を可愛がった。母が逝ってからは、純白の雌のペルシア猫を溺愛した。

 それでも、生物のなかで、ペットが存在するのは人間だけだが、なぜなのだろうか。

 動物はいつも本心だけで、嘘をつかない。そこで私たちの心が和み、癒されるからだろう。

 父がある時、愛犬の頭を撫でながら、「もし、人間に尻尾があったら、この世から騙し合いがなくなることだろう」といった。私は人間は進化が遅れているから、まだ尻尾がはえていないにちがいないと、思った。

 植物も、嘘をつかない。だから森のなかを散歩すると、爽快になる。人は自分を偽って生きなければならないから、疲れる。

 女性に出会うとおだてるのは、父譲りである。女性のほうが男性よりも強いから、諍わないほうがよい。

 科学的にいって、女性と言い争ったら、男に勝ち目はない。女性の声の高さは200から300ヘルツであるのに対して、男性は100から150ヘルツしかない。100ヘルツは声帯が1秒間に、100回震動しているのをいう。

 女性は男性よりエネルギーに溢れているから、際限なく喋ることができるが、男性はすぐに畏縮してしまう。「君子危キニ近カヨラズ」と、中国の聖賢が宣うているではないか。

 男が女性に甘えるのは、弱いからだ。女性は男性より強いから、耐える。男性は合理的だから、女性に負ける。女性はその証拠に占いを信じるが、占いの語源は「うらづけがない」というものだ。

 明治の日本を創った賢人の福沢諭吉先生が、「無力な道理は、有力な無道理に勝てず」と諭しておられる。


  少子化対策ではなく人口政策の確立を
    Date : 2019/08/26 (Mon)
 多くの識者が少子化によって、日本が衰退してゆくことを憂いている。

 これまでは年間出生数が200万人台だったのが、90万人台を割ってしまうことになるとみられる。

 この30年ほどか、日本の都会に住んでいると、誰もがかつての王侯貴族のような生活を営んでいる。

 贅を極めているのに、贅に耽っているのに気付かないほどの贅沢はない。スマホを使って世界中の料理が、自宅に届く。タクシーを拾って、運転手に行き先をいえばよい。
指先1つで家電を動かせる。テレビによって、バラエティー・ニュース・ショーをはじめ、居間で滑稽劇(おわらいげき)を楽しむことができる。

 身の回りに、あらゆるサービスがある。サービスserviceの語源は、ヨーロッパ諸語のもとのラテン語で、「奴隷」を意味する「セルヴスservus」だ。大勢の奴隷にかしづかれているのだ。

 それなのに、国民が不満でいっぱいだ。狂言『節分』に「えっ、この罰当りめが」という台詞(せりふ)があるが、これほど恵まれた生活をしているのに、そう思わない。

 亡国を免れるためには、子を産む女性や、子育てを望む若い夫婦に、国が補助金を支給すべきだ、金(かね)をぶつければ出生率があがると、説く人々がいる。だが、私は社会が豊かになるにしたがって、出生率が減ってきたのに、金(かね)で解決できるというのは理解できない。経済成長による物質的な豊かさこそが、少子化の惨状をもたらしたのではないか。

 スウェーデンや、フランスが子を産むシングル・マザーや、夫婦に、児童手当や、住宅、教育費など給付を増やすことによって、出生率が向上したと喧伝されるが、その後、出生率が低下している。

 いまでは工業ロボットやAIが、私たちの生活を支えている。テクノロジーが私たちの生活を、大きく変えている。

 このところ先進諸国は、どの国も「人手不足」の悲鳴をあげている。アメリカでは失業率が半世紀ぶりに、3・6%まで落ちている。イギリス、ドイツ、フランスなどの諸国でも、求人難が深刻だ。日本でも10年前の平成11年に失業率が5・09%だったのが、2・4%まで落ちている。技術革命によるもので、政府の施策がもたらしたものでない。

 ハイ・テクノロジーと金(かね)と数字が、私たちを支配するようになっている。金(かね)は空腹などその場を凌(しの)ぐために、使われる。人と人との絆が金(かね)によって結ばれているから、短時間で使い捨てにされる。男女の結びつきも例外ではない。

 テクノロジーも数字も、理によってつくられているから、心も情もない。

 だが、心は生きているから、金(かね)とテクノロジーと数字だけになると、家族も、家族的経営も崩壊して、人々が神経症を患って、子殺しや親殺しに走る者が急増する。

 私は「少子化対策」という言葉が気に入らない。なぜ、「人口政策」といわないのか。

 対米戦争が始まった昭和16(1941)年に、政府が国の将来を想い量って「人口政策確立要綱」を決定した。戦後、日本が国であるべきでないと信じるようになったために、かつての「産めよ増やせよ」という言葉を連想させるといって、「人口政策」という言葉が抹消されたためだ。

 私は平成6(1994)年に、厚生省(現厚労省)が「少子化」対策として、子育て支援などの「エンゼルプラン」を発表した時に、意味不明な「エンゼル」という言葉を使ったのに、憤ったのを覚えている。英語の天使「エンジェル」だったのか。外国に魂を売った小(こ)っ端(ぱ)役人が造語したにちがいない。

 数年前に、友人と小料理屋で浅酌した時に、友人が「手鍋提げても」といったところ、若い女子従業員が「手鍋って、どんな料理ですが?」と質問したので、呆れたことがあった。もちろん、好きな男と夫婦になれるなら、どんな貧困もいとわないという意味だ。

 政府が1990年代に“フェミニズム運動”を煽って、「男女共同参画社会」を推進したことも、少子化を悪化させた。女性は家庭を築くことが何より大切な役割であるのに、家族を否定することをはかったものだった。

 あわせて軽佻浮薄な言葉狩りが進められて、「婦」は女性が帚をかかえているから差別だといって、警察庁が「婦人警察官」を「女性警察官」、防衛省が「婦人自衛官」を「女性自衛官」と改称した。

 私は母親が座敷や、家の前の路地を掃くのを見て、帚が母の心の延長だと信じていたから、母が冒涜されたと思った。
私は松下政経塾の役員を永年勤めたから、そういうべきではないが、家電製品はすべて心を省くものだ。

 警察や、自衛隊では「婦道、婦徳」という言葉を使うことを、禁じているにちがいない。だが、いまでも「妊婦」という言葉が使われている。どちらかにしてほしい。「家族」もウ冠の下に豕(ぶた)と書くから、差別語ではないか。

 女性の高学歴化が結婚年齢を引き上げ、子供の教育費がかかりすぎることが、子を産む意欲を減退させているという。
学歴崇拝が日本を滅ぼす。高収入を望んで、自分をひたすら他に委ねて、合わせる受験戦争が、幼稚園から就職まで続く。

 二宮尊徳、伊能忠敬、渋沢栄一の3人をあげれば、農家の子だったから、最終学歴は寺子屋の4年ばかりだが、まず自分で自分を創ったうえで、日本を創った。虚ろな教育に国費を浪費するべきでない。

 個人が何よりも尊重される。だが、「個人」という醜い言葉は、明治に入るまで日本語のなかに存在しなかった明治翻訳語だ。私たちは人と人との絆のなかで、生きてきた。

 どうしたら、少子化を防ぐことができるのだろうか。

 愛国心を鼓吹するほかない。


  日本を守るC 日本最大の脅威は「憲法」
    Date : 2019/08/21 (Wed)
 日本が直面する最大の脅威は何だろうか? 中国でも、北朝鮮でも、ロシアでもない。

 正解は日本国憲法だ。こんな間抜けた憲法を戴いている国は、世界に日本しかない。

 イギリスの大歴史家トインビーは、「古代ローマ帝国を滅ぼしたのは、帝国の辺境を脅かしていた野蛮人ではなく、国内で“パンとサーカス”の享楽に耽(ふけ)っていた野蛮人だった」と、ローマ国民だったと断じている。

 日本国民の多くが一国平和主義をほめたたえているが、一国享楽主義でしかない。

 現行憲法は米国が占領下で日本から永久に軍備を奪って属領にすることをはかった、どう読んでもべらぼうな代物(しろもの)だ。箆棒(べらぼう)は江戸時代前期の見世物の信じがたい異様な化物の名で、馬鹿、たわけを意味するようになった。

 日本は独立を回復して67年たつが、日本国民はこのべらぼうな憲法を改めていない。日本国民はそれほどたわけなのか?

 いや、日本はアジアで唯一つ先進国となった利発な国だ。だったら、原因は何だろうか。

 江戸時代に3世紀近く平和が続いた。徳川家の支配を永続させるのを目的としたから、新しい政治思想を禁じ、能力主義を斥けて、血筋と年功序列による硬直した体制をとった。

 徳川幕府による平和は、明治以後の日本の呪いとなった。
幕府は泰平を維持するために、何より戦乱を恐れた。武士は幕府が統治思想とした儒教漬けにされたが、孫子の兵法の心髄である「兵者詭道也(へいはきどうなり)」(敵を騙すこと)を学ばせなかった。幕府は儒教の王道を重んじて、詭計を否定し、戦略思考がタブーとなった。

 武士道は戦うことが目的でなくなり、勝つことではなく、「死ぬ」ことに価値が与えられ、精神修養の哲学に退化した。

 江戸時代の庶民を涌かせた『忠臣蔵』は、吉良邸に突入する前に、正門前で大石内蔵助が山鹿(やまが)流の陣太鼓を高らかに打ち鳴らすのが、見世場となっている。47士は奇襲したはずだったが、奇襲となると王道に反した。

 明治維新が徳川体制を一新したから、才気ある人々が国を導いたが、日清日露戦争に勝つと、自信過剰を患って江戸時代へ戻った。

 日本は先の対米戦争で、軍官が年功序列によったために、ボロ負けした。戦後、高度経済成長によって、世界第2位の経済大国となると、日露戦争後に似るようになった。

 日本国憲法が戦略思考を奪ったために、憲法が家康公の祖法となってしまった。


  日本を守るB 中国・習主席の勘違いで“救われた日本”
    Date : 2019/08/19 (Mon)
 日本は72年前に占領下で強要された“平和憲法”と引き替えに、独立の気概を失って、北朝鮮から、ホルムズ海峡の安全航行まで、米国に頼っている。

 日本は北朝鮮によって拉致された日本国民を、自分の力で救えない。トランプ大統領に訴えるほかない。まるで米国が拉致したようだ。拉致被害者は“平和憲法”の被害者だ。

 習近平主席は台湾を軍事力を用いて「統一する」と、繰り返し言明している。台湾が中国に奪われたら、日本は海上交通路を絶たれて、独立を維持することができない。

 日本と台湾は一蓮托生の関係にある。一身同体だ。それなのに台湾の安全も、米国に委ねて傍観している。

 中国の日本に対する脅威が募っている。日本は米国なしに、まったく対処できない。

 日本を守るために米国様(さま)々に、ひたすらお縋(すが)りしなければならない。

 ところが、トランプ政権が2年前に登場すると、米国はトランプ支持派と、リベラル派の民主党を支持者の真2つに、分断された。

 日本が縋ってきた米国が、国内対立によって頼れないようにみえた。

 日本が危なかった! ところが、この危機を意外な助っ人が現われて、救ってくれた。中国の習近平主席である。

 トランプ政権が発足すると、習主席は米国が混乱して、力が衰えたと勘違いして、いよいよ中国の時代がきたと、舞いあがった。オバマ前政権に南シナ海の人工島を軍事化しないと明言したのにミサイルを配備し、野心的な「一帯一路」計画を暴走させて、スリランカ、カンボジアなどの軍港を借款のカタに取りあげるなど、傍若無人に振る舞いはじめた。

 中国は米国市場に経済を、依存している。先端技術も米国から盗んできた。寄生虫のような存在なのに、米国に対して牙をむいた。

 いってみれば、子会社が親会社を乗っ取ろうとしたのだ。
トランプ政権は中国と正面から対決することを決断し、関税戦争を始めるとともに、中国へのハイテクノロジーの供給を絶った。

 米国では、中国の目に余る振舞いに、民主党も中国を抑えつけようと、全国民が歩調を合わせている。

 習主席が分断されていた米国を、団結させたのだ。そのために巨大な米国の力が損なわれることが、なかった。

 日本が救われた。習さん、ありがとう!


  日本を守るA イランの核開発と北朝鮮の核兵器放棄 トランプどう解決するのか
    Date : 2019/08/19 (Mon)
 いったい、トランプ大統領はイランと北朝鮮を、どうするつもりなのか?

 イランは幅36キロのホルムズ海峡に面して、日本の首根っこを押さえ、北朝鮮は米朝交渉が行き詰まったら、日本の近海にミサイルを撃ち込んで、日本国民を震えあがらせよう。

 トランプ大統領はイランとも、北朝鮮とも戦いたくない。
トランプ大統領は昨年、米軍を中東から全面的に撤収することを発表したものの、実現できないでいるが、7月末にまずアフガニスタンから始めることを明らかにした。

 トランプ大統領は、米軍を海外から引き揚げたことを、レガシーとしたい。

 来年11月の大統領選挙の前に、アフガニスタンから足を洗ったことを功績としたいのだ。

 ところが、7月にサウジアラビアに小規模の米軍部隊を派遣した。

 トランプ大統領は3回にわたった米朝首脳会談が、北朝鮮に核実験と中長距離弾道弾の発射を休ませたほかに何一つ成果がなく、すれ違いに終わったのに、まだ話し合うといい、金正恩主席に微笑み続けている。

 米国はイランに核開発と並んで、中東の安定を乱しているのをやめさせたい。だが、イランの最高指導者ハメネイ師を擁抱して会談しようとしない。

 イランは北朝鮮と同じ強権による独裁国家なのに、ハメネイ師が金主席のような唯一人の独裁者ではなく、僧侶勢力、革命防衛隊など、頭が多い八岐大蛇(やまたのおろち)もどきの体制だからだ。

 イスラム教は2大宗派に分かれて、デスマッチを展開している。イランが率いるシーア派と、サウジアラビアなど中東の大多数の諸国のスンニー派の死闘だ。

 ヨーロッパでは16世紀、17世紀にかけて、キリスト教がカトリック旧教とプロテスタント新教のあいだで凄惨な宗教戦争を戦い、ヨーロッパ全土を荒廃させた。イスラム教は紀元7世紀に生まれた、まだ若い宗教だ。

 アメリカはイランの核開発と、北朝鮮の核兵器を放棄させるのに、成功するのだろうか。

 核開発と核戦力の増強を先送りできても、放棄させることはできるはずがない。

 日本は“平和国家”だから、北朝鮮もホルムズ海峡の安全も、米国にまかせている。

 もし日本が戦後独立を回復して、占領憲法をすぐに改めて、日本の経済規模の半分しかないイギリスか、フランス程度の軍事力を持っていたら、拉致問題も起らなかったはずだ。


  日本を守る@ 韓国「反日」熱の裏側
    Date : 2019/08/19 (Mon)
 韓国の反日熱が燃えさかって、日本国民が嫌韓感情をいやおうにも募らせている。

 フランスと韓国はよく似ている。ナチス・ドイツの占領下でフランス国民はナチスに協力したが、ユダヤ人狩りを行い、アウシュビッツなどの絶滅収容所へ送った。だが、連合軍の手で独立を回復すると、全員がレジスタンスに加わったふりをするようになった。

 韓国民は36年の日本統治にあげて協力した。日韓併合10年目に3・1独立運動事件が起ったのが唯一つの例外だが、一過性のものだった。裁判で誰1人死刑にならなかった。

 外国による占領、統治に積極的に協力した国民ほど独立を回復すると、負い目を晴らすために過剰な愛国的行動に走る。韓国の反日熱は、いかに日本統治を喜んだか証している。

 6月にイランをめぐる危機が燃えあがった。

 イランと北朝鮮は共通点が多い。イランが核兵器開発を進めてきたかたわら、北朝鮮はすでに核弾頭を持っているが、トランプ政権による厳しい経済制裁により喘いでいる。中露なども、米国の制裁を恐れて加わっている。

 イランと北朝鮮はイランがキムチを食べないし、禁酒とか違いも多い。

 イランは地理が有利だ。ペルシア湾の狭い入り口のホルムズ海峡の東側がイランだ。日本の石油・天然ガスの80%以上、西欧諸国にとってもエネルギーの大動脈だ。イランはイスラム教主流のスンニーと、不俱戴天の2大宗派の一方のシーアの総本家で、米国、イスラエルが支援するスンニー諸国でシーアや、イラン革命防衛隊や、代理兵を使って紛争を起している。北朝鮮は地域的な影響力がない。

 イランも北朝鮮も、米国による経済制裁を何とか緩和させようとして、駄々をこねている。イランは米国の無人偵察機を撃墜し、ホルムズ海峡周辺で日本などのタンカーを攻撃、イギリスのタンカーを拿捕(だほ)し、ウラン濃縮の度合いを高めた。北朝鮮は5月と7月に、短距離ミサイルを発射した。

 ペルシア湾は一触即発だ。だが、トランプ大統領も口では勇ましいことをいっても、戦いたくない。イランを攻撃したら、中東各地でイランの代理兵が、米軍を攻撃しよう。

 トランプ政権はホルムズ海峡の自由航行を確保するために、有志連合を結成して、海軍部隊を派遣するように求めている。

 日本が米国に日本船を護るのを委ねたいというのなら、京都アニメのような火災も、米国の消防隊に消してもらおう。


  人間社会を蝕むカネとテクノロジー
    Date : 2019/08/09 (Fri)
 この30年ほどだろうか、日本の都会に住んでいると、市井の人々もかつての王侯貴族のような生活を営んでいる。

 贅を極めているのに、贅に耽っていることに、気付かないほどの贅沢はない。私たちの日常がまさにそうだ。

 スマホを使って世界中の料理が、自宅まで届けられる。タクシーを拾って、運転手に行き先をいえばよい。指先1つで冷房、暖房によって、冷暖がもたらされる。昔だったら召使が大きな扇であおるか、氷柱を据えるか、暖炉の薪を燃した。

 いまでは、あらゆるサービスが身の回りにある。サービスserviceの語源は、ラテン語で「奴隷」を意味する、「セルヴスservus」だ。

 日本は世界のなかで奴隷が存在しなかった、珍しい文化だ。民主主義が発祥したといわれる古代ギリシアの市民生活は、奴隷によって支えられていたが、ヨーロッパ、アメリカでは19世紀というと、このあいだまで奴隷が存在した。
英語の召使サーバントservantという言葉も、「セルヴラservula」女奴隷、「セルヴラス男奴隷servulus」から発している。

 日産のゴーン前会長が、巨額を横領した容疑で起訴されているが、日本の常識からして、古い言葉を使えば、箆棒(べらぼう)な報酬を得ていた。べらぼうは信じがたい、という意味だ。

 アメリカや、ヨーロッパの友人と、ゴーン前会長の桁外れの報酬について話題にしても、少しも驚かない。日産よりも小さなGM(ジェネラル・モーターズ)の会長の給料は、ゴーン氏よりはるかに高いものだ。日本のトヨタの会長の報酬の100倍以上も、貰っている。

 やはり西洋は長いあいだにわたって、奴隷社会であったからだ。経営者からみれば、下積みの社員は奴隷でしかない。

 いまでは工業用ロボットや、AIが、私たちの日常生活を支えている。

 新しいテクノロジーが私たちの生活に、大きな変革をもたらしていることを、毎日、肌で感じさせられる。

 日本はOECD(経済開発協力機構)に、加盟している。36ヶ国が加わる先進国の経済クラブだが、メキシコとか、スロベニア、リトアニアのような新興経済諸国も、入っている。

 OECDのなかの先進諸国は、どの国も「人手不足」の悲鳴をあげている。日本も例外ではない。

 アメリカでは、失業率が3.6%まで落ちているが、半世紀ぶりのことだ。日本では10年前の平成11(2009)年には、失業率が5.09%だったのが、今年4月には2.4%まで急落している。イギリス、ドイツ、フランスをはじめとする諸国でも、「求人難」が深刻だ。

 「ジョブス・ブーム」(就業ブーム)といわれるが、これは政府の政策によって、景気が上向いたからではない。

 庶民のなかにはロボットや、AIによる自動化によって、人々が職を奪われることになると杞憂する声があるが、杞憂は古代中国の杞の国の無知な民衆が、空が落ちてくることを憂えた偶話にもとづいている。

 どうして就業ブームが、起っているのだろうか。ハイ・テクノロジーがつぎつぎと新しい職業を、生み出しているのだ。サービス業は、人手を必要とする。求人については、先進諸国ではパソコン、スマホによって、新聞から三行広告が消えて、求人と求職が効率よく結ばれるようになっている。

 ハイ・テクノロジーと金(かね)が、私たちを支配するようになっている。人と人との絆が金(かね)によって結ばれるから、絆が短時間で使い捨てになる。家族の結びつきが、弱まる。

 そのうえ、テクノロジーは理によってつくられているから、心も情もない。だが、人の心は生きているから、金(かね)とテクノロジーだけを相手にすると、神経症を患う者が急増する。


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